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私たちは明るく,元気に成長できるか。


【私の働く環境の変化に関する結論】
これからの仕事術・働く環境の変化を考える上で,多様性を理解し,相手を尊重したコミュニケーションと主体性のある目的を持った行動です。

【働く環境が変わった】
私の会社も2020年3月より在宅勤務が開始しました。働く環境が変わった事で,改めてコミュニケーションの重要さに気付かされます。 今まで会社では,ロビーや廊下でのすれ違い時の気軽な立ち話による情報交換,ランチタイムの和やかな時間や帰宅時の駅までの道のりで仕事を離れて仲間と 話すことで気分転換や様々な相談ができていました。しかし,在宅勤務になり,その様な状況は一変しました。一日中向き合うのはパソコンのモニター,会話と言えばヘッドセットを介して朝から晩まで詰め込まれた会議の議題が中心になります。私はこの状況に危機感を覚え,これまで以上にコミュニケーションの必要性に関して考えるようになり,意識的に部下や上司,同僚とのコミュニケーションに時間を割くようにしました。そのコミュニケーションも一方通行では,こちらの押し付けになってしまいます。言葉は人を勇気つける事ができますが,時に武器にもなり無意識に人を傷つけることもあります。いままでの様に相手の表情をみて会話を変えるような事が難しいのも事実であり細心の注意を払う必要があると考えました。

【その会話の向こうに】
コミュニケーションに関して心掛けた事は,相手の表情をみて会話の内容を変えたりできませんし,その方が抱えている環境がわからないので,廊下やロビーでのすれ違いざまの気楽な会話の様に自分の頭の中をストレートに相手に伝えない,相手の置かれた環境を理解し,気持ちや状況を想像する事でした。例えば,もしかしたら,この電話会議の状況を,ご家族や恋人にも聞こえているかもしれないし,見ているかもしれない,暗い表情で会議に参加している親や恋人をみてどう思うだろうか。また,小さなお子さんがいて業務に集中できずに業務効率を落として悩んでいるのではないか。また一人で閉塞的な空間で孤立を感じている人がいたり,自分とは異なる役割で出勤している人に負い目を感じたり,申し訳ないと思った気持ちで業務に向き合ってはいないだろうか。私の場合ですが,家族から「今日は難しいそうな話をしていたね。」「部屋から出てこないけど忙しいの?」と心配をされることもあります。逆に「今日はよく笑っていたけど楽しそうだったね。」「部屋からよく出てくるけど暇なの?」と言われる事があります。加えて,今日の言葉使いは,丁寧ではないと指摘を受けることもあり,言葉使いの重要性に気付かされる事もありました。個室で仕事をしているのですが,家族は私の表情や行動を見ていたり・多少の会話が聞こえていたりする時もあるようでした。

【社内コミュニティーの設立】
私は,私と同じ様な想いをもっている方や状況の変化に対応できず困っている人や悩みを相談できず塞ぎ込んでいる方もいると考え, 自部門のメンバーを対象に情報交換や気軽に相談できるコミュニティーを7名の有志で立ち上げました。約5ケ月の活動を通じて,アンケートを実施し仲間の不安や意見を確認し,働き方改善の情報発信,ストレスチェックと解消法の企画を考えたり,社内外・国内外の学習機会へ参加し仲間への有益な情報を共有したり,各月で「ダイバーシティとは」,「Juneteenthに見る人種差別とは」「ハラスメントとは」というテーマを各グループに課題を与え,学び・話し合い・考察を述べ,行動に移すようなグループ・アクティビティを開催しました。その様な活動を通じて,年齢は10代から50代,役職も現場の業務に従事する方から本社勤務者・事業本部長も巻き込み幅広く約500弱人の方とアンケートやコミュニケーションを重ねる中で3つの課題に気が付きました。

【評価への不安】
1つ目は,出勤して業務に当たる方と在宅者との情報の量と質の違いや,いままでの様に出勤されている方のほうがアウトプットを出し続けているのではないか,周囲から頑張っている様に思われているのではないだろうか,とのような錯覚に陥ってしまい。その様な悩みなど打ち明けたら評価に影響してしまうのではないか,上手に自分の考えをまとめきれず上司には言えない悩みもあるようです。上司は丁寧な言葉づかいに気を付けながら,話をよく聞き,すぐにアドバイスをしてしまうのではなく,アウトプットに対する手段を一緒に見つけ,相手のメリットと一致する様なお願いの仕方をして,「ありがとう」という感謝する気持ちで話し合う心構えが必要だと思います。

【共感しあう環境の大切さと目的思考】
2つ目は,先に述べた評価への不安と関連するのですが,上司やある特定の方と一対一でのコミュニケーションより,自部門や他部門更には他社や知見者との複数人でのコミュニケーションを望んでいると言うことです。これは誰も明確な正しい答を持てていない状況下で,自分と同じ様な立場のメンバーはどの様に働いているのか,何に苦労しているのか,どの様に解決しているのか,一人の意見やアドバイスを聞くより,たくさんの人の意見を聞いて,自分なりに噛み砕いて理解したり,納得したりする機会を作る事で,「自分の行動を見直し前向きに気持ちを変えられる事ができた。」と明るい声へと変化する方が多くいました。この様な状況に嘆き,解決できない原因追求し無駄な時間を過ごすより,変化に恐れずに目的を持って行動に移したほうが,結果的に前向になり結果が残せるのだと確信しました。

【女性の働く環境と生産性の低下】
2つ目は,小さい子を持つ家庭において在宅勤務において,休校下での仕事と育児の両立に追われている方も多いこと知りました。子育てと在宅勤務の両立のために,この時代を背景に,女性の仕事への生産率は約20%低下傾向にある事がわかりました。この数字は在宅勤務で女性に負荷が掛かっており,特に30-40代で顕著に見られていて,人に言えず,見えない精神的なダメージもあり,申し訳ないという気持ちが先行し1人で抱えきれない状況に追い込まれている方が見受けられました。成人基礎学力が高いにもかかわらず,特に女性がそれを活用できていないということ、また社会インフラや教育レベルの高さ、資金力があるにも関わらずそれらを「つなぐ」力やプラットフォームがないことが、日本が伸び悩んでいる理由なのだと改めて気付かされる現象を目の当たりにしました。コミュニティーでは,同じ様な状況を持った方々との会話から,状況を好転させるために,いろいろな方の意見や実践事例を聞いて,家にベビーシッターを依頼して仕事への集中力を高めている様です。感染に懸念がある方はオンライン・ベビーシッターを活用している方も出てきました。

【家族との時間】
私事ではありますが,働く環境が変わったことで一番の変化は,家族との時間が急に,格段と増えたという事です。これまでの社会人人生でこれ程まで家族と一緒の時間を過ごした事はありませんでした。これまでは早朝に家を出ると夜中の帰宅,ある期間は単身赴任や海外出張で家を開ける生活をしていました。しかし,現在は朝・昼・晩の食事を一緒に食べ,トイレやお風呂の順番を確認しあいながらの生活,家の中の狭い空間を一緒に過ごしているにも関わらず,夕飯時には,各人がそれそれの一日の出来事,想いを語る様な生活は働き方を変えた事による賜物であり,過渡期の窮屈感はあるものの,この時代の流れに感謝しています。

【最後に
2020年の3月から今日現在まで約5ケ月弱,働く環境が変わって分かってきた事は事実です。「今が本当にベストなのか?」を自問し,考え・学び・多くの仲間を巻き込み行動に移した結果,私自身も今後の変化に対応して生き抜く為の成長の機会になりました。加えて,すべての仲間とは言い切れませんが,多くの仲間を正しい方向に導く事ができたと感じています。これからも状況はスピード感を増して変化していくと思っています。個々の考え方や働き方を尊重し、感情論や思い込みで行動に移すのではなく,事実や本質,そして繰り返しになりますが,多様性を理解し,相手を尊重したコミュニケーションと主体性のある目的を持った行動を続けて行きたいと思っています。

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