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今こそ日本を見つめ直して



2020年上半期はコロナウイルスの話題一色でした。
春先にかけて、国内のみならず世界中で多くの感染者を出し、日本の芸能界にも甚大な影響をもたらしました。

こんな折に、日本人から「日本は終わっている」なんてSNSなどで見かけました。政治の批判ならまだしも日本人を同じ日本人から言われるなんて腹が立ちました。こうしたコメントを言う人等は日本をどうしたいのでしょうか?日本を改善したいのか?母国を捨て外国へ住むのか?…なんて様々な考えが噴出し日本を改めて考え直すきっかけになりました。

そんなことを考えていると、ある一人の芸能人のことを思い出しました。


ロイ・ジェームス

この方を御存じでしょうか?私もリアルタイムで存じてはおりませんが、テレビ番組で司会をされていたことを書籍やテレビの回想番組で存じました。ロイ・ジェームスは在日トルコ人で、見た目は外国人ですが生まれは下町という生粋の江戸っ子。明治大学在学中にE・H・エリック(ファンファンのお兄さん)の紹介でテレビやラジオの司会として活躍、1971年に日本国籍を取得。はれて日本人になることが出来た。テレビ東京(当時は東京12チャンネル)で放送されていた「人に歴史あり」というトーク番組に出演した際に、こんな苦悩を語っていた。

「当時は外国人というだけでスパイと疑われ、学校への登校ルート予め書いて提出させれたり、理不尽な言い分で外人差別を受けた。生まれは日本なのに外見容姿で全て外人扱いを受ける。それでも僕は日本人になりたかった。日本人は素晴らしい。だから日本人になるために40枚以上の書類を書いて、いくつもの審査を受けて国籍を取得した。そんな思いをしてまでなりたかった日本人が戦争が終わった今では生活に欧米の文化を取り入れて、脱日本と言っている。僕からしたらちゃんららおかしい。おこがましい話だ。日本人なら日本人らしくいるべきであろう。それが僕が理想としている日本人のあるべき姿なんです。」



と何とも耳に痛い言葉である。日本人からすれば欧米の文化を取り入れて戦後はもの凄い早いスピードで復興した。そこから日本文化が時代錯誤、気後れした文化や国民だと思ったのだろう。しかし外国に住む人々からすれば日本の良いところはそうした日本独自の文化、時代に関係無く島国ならではの生活スタイルやわびさびといった外国にはない(語弊があるかもしれませんが)独自の感覚に惹かれている部分が大きいと思います。自分自身の良いことは誰しも気づくことが難しいです。それに気づくタイミングは他者から言われて初めて分かるのです。昭和という激動の時代に生きたロイ・ジェームスだからこそこうしたポイントに敏感だったのでしょう。今一度その言葉に奥深いものを感じます。日本はありのままでいい。それほど勇気ずれられる言葉はないかと思います。

先人の言葉から今の日本を見つめ直すひとつのきっかけでありました。

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