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世界で一番思い通りにならない夫へ

私と夫は、生きる速度が違いすぎる。
8年半前に付き合ってから今日まで、お互いマイペースなのでいつまでも距離は縮まらない。
価値観、金銭感覚、理想のライフスタイルはそんなに遠くないのに、生きてるペースがとにかく違う、と感じる。
でも、別にそれで構わないと思う。

夫と話をしていると、人と分かり合うことはこんなにも難しかっただろうかと毎回のように思い知らされる。
それと同時に、そんなの他人なのだから当たり前ことなのに、なぜこの人にだけがっかりしたり、ムカついたり、悲しくなったりするんだろうと不思議になる。

どうしても「足りないもの」ばかりに目が向いてしまって、「すでにあるもの」に感謝できないときがある。
私にとっては、夫が私の実家の家族をとても大切にしてくれることが非常に有難いし、私が仕事や色々な活動で無理をしそうになるのを夫が止めてくれるおかげで、何も壊すことなく続けられている。
そしてこの8年半、良いことも悪いことも、人生崖っぷちなこともあった。だけど夫はいつも変わらず同じ。それについて考えるといつも、ある映画の台詞が頭に浮かぶ。

"Why me?"
"Because you saw me when I was invisible." - The Princess Diaries (2001)

地味で冴えない女子高生Miaが、実はある国の王女だったと突然明かされ、人生も生活一変するシンデレラストーリー。時の人になったMiaを様々な思惑や人間関係が取り巻く中、「王女」ではないMiaを常に見守り続けて来た親友の兄Michaelと結ばれるシーン。
密かに思いすぎてて伝わってないところとか、頑張ってるけど意図した通り伝わってないところとか、Michaelと夫が少し重なる。車が好きなところも。


2年前のこの時期、プロポーズしてくれて本当に嬉しかった。
もらって1週間で結婚指輪を失くしたとき、笑って同じものをもう1つ買ってくれたのも本当に嬉しかった。
何度も別れたり、もうダメだと思ったり、時々我慢できず爆発してしまうときもあるけど、やっぱり私と結婚してくれてありがとう、という気持ち。
もう切れたかもと思って手繰り寄せると、細くてもしっかりと糸が繋がっていたんだと気づく。

普段あまり伝えられないけど、夫と家族になれて良かったと思う。
本当に私の思い通りにならないことばかりだけど、「思い通りにならない」というよりは、「思った通りにならない」という感じ。
思っていたのとは違うけど、思いもよらない発見もたくさんある。

毎年増えていく季節ごとの思い出。
家までの帰り道に重ねた手の重み。
夜中にふと目が覚めたとき、隣で寝ている人の気配。

これからも、喧嘩したり騒いだり取り乱したりするかもしれないけど、夫婦でいることを諦めずにいよう。
クリスマスの終わりに、そんなことを思った。

#クリスマス #夫婦 #夫婦関係 #プリンセスダイアリー #結婚