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都内の小学校で「意見の違い(対立)と話し合い」ワークショップを実施しました。

4〜6人のグループに分かれ、「夏休み 1週間の課外活動 どこへ行く?」と題して、グループごとに、「山村」か「漁村」かの2択で、どちらか一方の行き先に決めてもらうようにしました。

グループごとの検討の結果、どちらを選んだかに挙手してもらい、さらに、どのように決めたのか、決め方についても発表してもらいました。

多数決、俺の意見を通した、あみだくじ、メリットデメリットのプレゼンをしあった、もともと満場一致だった、などなどさまざまな内容が発表されました。

これに対し私の方からは、何かを決めるとき、まずは決め方を決めているよね、そしてその決め方を考える際のヒントとしては「効率」と「公正」という視点があること、などを易しい言葉に置き換えて伝え、同時に、これらの方法はいずれであっても、勝負に負ける人、少数派、痛み分けなど、常に一定の不満足な人(100%満足ではない人)が出るよね、ということをお伝えしました。

そして全員が満足する結論を見つける方法に「話し合い」というものがあることをお伝えしました。

話し合いのポイントは「なんで?(その意見なの?)」と、それぞれがその意見や主張に至った理由や経緯、背景の気持ちを丁寧に聞くことにあることを伝え、再度、グループ内でメンバー全員がお互いに理由を聞きあって、それらの理由を全てかなえるような、新たな結論を創造できないか、話し合いをしてもらいました。

結果、漁村を選んだ子は水が好きという理由だったから湖に面した山村なら全員満足できそう、や、漁村を選んだ子は美味しい魚が食べたいことが理由だったから美味しい川魚が取れる山村にした、などなど、全員の満足を目指した創造的な解決策を一生懸命に考え出してくれました。

これらはまさに、両当事者の主張やこだわりの理由や背景の気持ちを聞いて、どうしたら双方の本音の部分が満たせるか、柔軟なアイデア発想で解決策を創造的に探していく、という、私たち調停人が調停という紛争解決の現場で行なっていることと同じでした。

もちろん、日常生活の中にあっては、常に話し合ってばかりはいられず、じゃんけんや多数決の方が手っ取り早く適当なこともあります。でもそれだけだと、常に不満足の人が一定数出てしまうこと、そして、不満足になる人がいつも同じ偏ってしまう可能性もあります。だからこそ、必要に応じてさまざまな解決方法を選択肢に持っておいて欲しいことを伝え、ワークショップを終わりました。

ワークショップ中は、全員を当てて挙げられないほどにたくさん手が挙がったり、個人のワークもグループのワークも一生懸命に取り組んでくれて、終了後に質問や感想を伝えに来てくれたり、お礼を言いにわざわざ玄関まで出て来てくれる子がいたりと、本当に嬉しい気持ちになりました。

これからも、楽しくて心に残る授業を届けていきたい、と思いました!

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