そうだ、京都へ行くんだったら。#旅と美術館
出不精でありながら”寄り道”が好きで、一度外へ出たら「ついでにあっちも」「だったらこっちも」とついついいろんな所に寄ってしまう癖がある。
だから美術館もおいしいカレー屋も、「わざわざ」行くことよりも、「せっかく○○方面へ行くならば」と思い立って(ときには遠回りして)立ち寄ることが多い。
「旅と美術館」というテーマで思い出したのが、2015年に1泊2日で出張した京都のこと。
このときは確か、ひとりで京都のややニッチなエリアを中心に巡って取材をしてくるように、と言われたのだったと思う。
確か、二条城の近くの掘っ立て小屋のようなコーヒースタンドで美味しいコーヒーを淹れていただいたり、果物屋さんが営むフルーツパーラー「ヤオイソ」でフルーツサンドを頬張ったりしたように記憶している。
この出張のプランを立てている最中に、案の定「せっかく京都へ行くのだったら」と悪い癖が出てしまった。
よし、と自腹でもう1泊することを決め、一度泊まってみたかった仁和寺の宿坊を予約。
その夜は小ぢんまりとした近くの居酒屋でひとり酒、朝は6時半からのお勤めにも参加した。
精進料理ではなかったのが意外だったけれど、朝ごはんがおいしかったなぁ。
さて、ここからが寄り道旅の本番。
目的地は、鳥獣人物戯画の故郷・高山寺。
文字通り、京都市街から離れた山中にあるため、京都駅からバスで約1時間かかるところ、仁和寺からなら約20分で行けるのだ。
この頃、なんだかやたら憧れていた鳥獣戯画。やっと観られる…!とワクワクしていたのに、こちらで保管&展示されているのはレプリカ。
※甲巻・丙巻は東京国立博物館に乙巻・丁巻は京都国立博物館に保管されています。
拍子抜けしつつも、せっかく日本で最も古い茶園があるここまで来たのだから、とお茶をいただき、お庭を散策して下山。
※余談※
その後、2021年に東京国立博物館で開催された「国宝 鳥獣戯画のすべて」で初めてホンモノを観ることができたのでした。
室内エレベーターを設置した大がかりな展示、すごく楽しかった。
まだ日は高い。
「そうだ、鳥獣戯画が保管されている京都国立博物館にも行ってみよう」。
思い立ってまたバスを乗り継いで、京都国立博物館へ。
このとき開催されていたのは「琳派誕生400年記念 琳派 京を彩る」。
キービジュアルにもなっている俵屋宗達の風神雷神図屛風のインパクトはやはり強くて、こちらに迫ってくるようで「これが琳派なんだ!」と胸が躍った。
記憶をたどっているうちに思い出したのだけれど、この2泊3日の間に、タクシーの運転手さんにおすすめいただいた金平糖屋さん「緑寿庵清水」でお土産を買い、豆大福を求めて「出町ふたば」に寄り、錦大宮のおでん屋さんにも寄り…おそらく仕事をしていた時間よりも、寄り道をしていた時間の方が長い。
改めて京都は、ついつい"寄り道”したくなる魅力がある街だなぁと思う。
春の京都もいいなぁ。
また、“寄り道”しに行きたい。