「ばっかなクマのやつ!」クマのプーさん展
過日、立川の「PLAY! MUSEUM」で開催されていた「クマのプーさん展」へ。
PLAY! MUSEUMにはずっと行ってみたかったのだけれど、立地的にどうにも重い腰が上がらず、仕事で立川へ行く機会に今しかない!とよりみち。
クマのプーさんシリーズの挿画を手がけたE. H. シェパードの原画約100点と、A.A.ミルンの文章を通して、プーさんの世界をたどり、一人ひとり(という数え方で合ってるのかしら)のキャラクターをひもとく企画展。
原画がとにかくかわいくて、プーさんのお部屋なんてこのまま住みたいくらい。
帰ってきてから、そういえば原作も持っていたんだった、と改めて読み返してみた。
どうもわたしは勝手に“かわいい子ぐま”だとばかり思い込んでいて、アニメやTDRでプーさんの声を聴くたびに「どうしてこんなにおじさんっぽい声なんだろう?」と疑問だったのだけれど、プーさんは自立した大人のくまだ。
おじさんかどうかはわからないけれど、コブタは”子豚”、イーヨーは”老ロバ”と明記されている以上、子ぐまでも老ぐまでもなさそう。
森のなかでひとり暮らしをしているプーさんは、クリストファー・ロビンや森の仲間たちと一緒に愉快に暮らしている。
ウサギの家にお客に呼ばれれば、ごちそうを食べすぎて穴から出られなくなってしまうし、
イーヨーの誕生日を祝うためのはちみつを、道すがら食べてしまって空っぽの壺をあげたり、
自分とコブタの足跡を「モモンガ―の足跡に違いない!」と思い込んで、ドキドキしながらぐるぐる何度も木の周りを回ったり。
クリストファー・ロビンには愛情たっぷりに「ばっかなクマのやつ!」と言われてしまうけれど、毎日ドラマティックで、楽しそう。
大切な友達のために、自分が持っているすべてをささげるほどの愛情も持ち合わせている。(それがはちみつの場合は、大概食べてしまうんだけれど)
世界中の子どもたちは、クリストファー・ロビンと同じように「ばっかなクマのやつ!」と思わず吹き出しながら、こんなクマが自分のそばにもいたらいいなぁと思いめぐらせたのだろう。
日本で人気が出たのはきっと、石井桃子さんのかわいくてリズミカルな訳があったから。
このシーンが大好き。明るい空で遊ぶ雲の様子をくっきりと思い描くことができる。
最もたくさん本を読んでいた子ども時代、石井桃子さんや村岡花子さんがつむぐ言葉にワクワクしていたことを思い出す。
本はいつも、友だちだった。
すっかり忘れていたけれど、プーさんも。
昔読んだ本を片っぱしから読み返してみたいな。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?