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細部にまでこだわり抜いた=いちいち可愛い「東京都庭園美術館」#お気に入りの美術館

過日、東京都庭園美術館で 開催中の「建物公開2023 邸宅の記憶」へ。

1933(昭和8)年に朝香宮家の本邸として竣工した、アール・デコの粋を集めた建物を、1983(昭和58年)に美術館として一般公開された東京都庭園美術館。同館では年に一度、異なるテーマを設け建物公開展を開催している。

「いままでに行った中で、お気に入りの美術館は?」と聞かれたら、迷いつつも(そもそもそんなにたくさん行っていないのだけれど…)、かなり上位に挙げたくなる東京都庭園美術館。

正面玄関のルネ・ラリックのガラスレリーフや

1Fのアンリ・ラパンの香水塔
(朝香宮邸当時は上部に香水を入れ、照明の熱で香りを室内に漂わせていたのだとか。こんな大きなアロマディフーザー見たことがない)

ちょっとポップさもあるマックス・アングランのエッチング

大客室のゴージャスなシャンデリアに、

食堂の天井を見上げれば、パイナップルとザクロがモチーフのルネ・ラリックの照明。

姫宮のお部屋の前、階段を照らすのはステンドグラス製のお星さま。

魚だったり、お花だったり、お部屋ごとに異なるラジエーター・カバーのデザイン。

ほかにも、タイルや壁紙、建物内外に用いられているすべて、本当に何もかもがかわいくて、行くたびにときめいてしまうのだ。
“お姫さま”の絵ばかり描いていた、幼稚園時代のわたしが目を覚ます感覚。

きっと、朝香宮廷時代に招かれたお客様たちも、同じように胸を躍らせながら訪れたのではないかしら。

記憶に残るのは、2021年に開催された展覧会「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」。
英国王立植物園「キューガーデン」の繊細で美しいボタニカルアートが生花でお部屋を飾るが如く展示されて、本当に素敵だったなぁ。

さて、今回のテーマは「邸宅の記憶」。

今回は、本邸宅の主であった朝香宮家の人々に焦点を当て、宮邸時代の家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示に加え、かつてこの空間を往来した人々が残した写真や映像資料、工芸品、調度品、衣装などによって、当時の生活の一端をご紹介します。

(公式サイトより)

個人的な今回の見どころは、なんといっても300点を超えるボンボニエール。

明治からお祝いごとの引き出物に用いられてきたボンボニエールは、手のひらにのるサイズながらどれもとても精巧に作られていて、この会場だけ観ていても飽きない。

毎年、建物公開展でのみ公開される「ウィンターガーデン」もモダンで素敵だ。

允子妃殿下(絵がとてもお上手)の直筆の手紙やスケッチブック、一つひとつ厳選されたのであろう調度品を観ながら、とてもセンスがいい方だったのだろうなぁ…と憧れのため息が漏れる。

わたしが最も好きなのは、ロイヤル・コペンハーゲン製の「ペンギン(三羽揃いのペリカン)」。

ネーミングのミステイクも含めて、なんだかとても愛おしい。

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