社内向けプレゼンのつくり方-5.スケジュールを立てる
敢えて社内向けにフォーカスした、プレゼンのつくり方を詳説する試みの第5回は、制作スケジュール立案について。
※ある仕事で、社内プレゼンの作り方をレクチャーするにあたり、頭の整理を兼ねて、記事にまとめています。
工程を分解し、期限を決めていく
まずは、本番(ゴール)から逆算して、プロセスと期限を細分化していく。丁寧にやる場合、例えば以下のような流れになるだろう。
Mtg:本番 →目標達成
〜最終の修正・準備期間
Mtg:最終レビュー、根回し
〜予備の時間
作成:本番資料完成
〜ブラッシュアップの時間
作成:スライド素案完成
〜素材を統合し、スライドを作成する
Mtg:方向性などの中間確認 *1~複数回
〜素材準備待ち&スライド制作の時間
〜素材提出をお願いする
作成:骨子とストーリーを完成させる
Mtg:重要な関係者に方向性を確認する
作成:骨子とストーリーの素案をつくる
〜方向性を決める情報の収集・分析
作成:概要の素案をつくる
こうしてプロセスプロセスを分解した上で、ゴールに近い重要なところから、期限を埋めていく。まずは本番の日程を入れ、最終レビュー、資料完成目安、というように。
想定より時間がかかったり、想定外の問題が発生して対応に時間を取られることも想定し、予備の時間を入れて、余裕を持たせておく。
工数の分量や関係者が多い場合、上記を、スプレッドシートなどで、プロセスの流れや実施項目を一覧化し、それぞれの担当や期限を関係者明記した工程表をつくり、関係者に共有して、認識のズレがないようにする。最近は工程管理が無料や安価にできるツールもあるので、それを使ってもいい。
各工程の工数・リスクを見積る
骨子を組み立て、それぞれのページに必要な材料を洗い出したら、それらをどうつくるかの計画を立てる。
見積もる順番は、ピラミッド構造の上部からでも、前からでも、重要そうなとこからでも、つくりやすいところからでいい。大事なのは、とにかく素早くつくること。
作業量=かかる時間と、不確実性=遅れる可能性と、重要性や緊急度を念頭に、以下のような観点で分類してみるといい。
自分で作れるか、人にお願いしないといけないか
→人にお願いする方が不確実性が高まる社内で完結するか、社外の人に頼むか、既存の関係値があるか
費用がかかるか、承認などのプロセスが必要か
すぐ手に入るか、入手にどれだけ手間がかかるか、入手方法が分かるか・そこから調べないとならないか、加工が必要か・不要か、どれくらい時間がかかるか・難しいか、など
→作業量や不確実性に影響情報を集め分析しないと書けないなど、作成の前後関係があるか
→緊急度が異なる必須の要素か、あった方がいいレベルか
→重要性や緊急度が異なる
数字がないとグラフや表ができない、対象の市場が定まらないと統計などの数字が取れないなど、前の工程が完了しないと、後ろの工程ができない場合や、その前工程を他者にお願いしなければならない場合など、特に注意が必要だ。
分担を割り振る
前段で見積もったプロセスと工数・期限の「山積み」を、担当者のスケジュールに割り振る「山崩し」をしてみる。
例えば、XX事業に関する、過去3年の業界別受注金額の提出を営業部門に、損益金額の提出を経理部門に依頼する、といった具合だ。
そうすると、特定の人や時期に集中していているなど、リスクや実現可能性が見えてくるので、そのような全体のバランスなどを見ながら、最終的に妥当な内容に調整する。
各工程の性質は、以下に分類できる。
自分しかできないもの
人にお願いできるもの(誰でもできるもの)
人に頼めるが、一定のスキルや権限を必要とするもの
人にお願いしないと出来ないもの
自分でできるものは粛々とやればよく、他者との調整が必要なもの、言い換えれば、自分だけでコントロールできないものがあれば、早めに調整しておく。
自分だけで完結するとのなら、ここまで細かくやる必要はない。
次回は、スライド作成のポイントについて。
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