見出し画像

オンライン・コミュニティの実験場をつくる構想(5)〜活性化する仕掛けのアイデア

コロナを受けて立ち上げた、働き方、コミュニティ、イベントなどをオンラインシフトする実践知を共創するコミュニティを、アウトプットを主軸とするグループ運営体制に本格移行する構想について書きます。

今回はコミュニティを活性化させる仕掛けのアイデアについて。

企画壁打ち会

「こんなことをやりたいと思っているんだけど」という人は多くいます。しかし、具体的な企画にまで落とし込めない人、企画にまではしたけれど、協力者や参加者を集められず成立させられない人も少なくありません。

コミュニティはそれらの課題を解決します。アイデアを壁打ちしてくれる人を募り、仲間を見つけ、試作段階でのモニター参加者を募ることができます。

運営メンバーや参加者の募集はコミュニティ全体に投げれば良いので、ネタを持ち寄り互いにコーチングし合う会があると、質量ともに企画が増えていくでしょう。

毎週決まったスケジュールで開催、提案・進行・ファシリテーション・成果物などをフォーマット化して、幹事団の誰でも一定品質でできるようにすれば、運営側も参加側も気軽に回せるでしょう。

自分のアイデアが具現化するベネフィットを実感してもらえれば、リピートや勧誘する動機になると考えます。

企画もくもく会

壁打ちをすればある程度目鼻はつくものの、企画にまで落とし込むにはそれなりに工数と精神力が必要です。自分の尻を叩くのは大変なので、外に強制力をつくり自分を動かす仕掛けにします。私がよくやるのは締め切り効果と人との約束です。ちなみに9月末までnoteを毎日続けると公言したのは不特定多数と約束することで、自分を追い込んでいる訳です。

エンジニアが集まって、各人が黙々と開発を進めるイベントを「もくもく会」と言いますが、その企画版をオンラインで実施するのも良いかと考えます。毎週特定の時間、Zoomなどのオンラインのルーム上を設定し、そこに集まった人々がただ黙々と企画の執筆を進める会。

ただ、それだけでは面白くないので、作成しているドキュメントは誰でもコメント可能な設定で公開し、作業進捗が見え、ツッコミを入れられるようにするとか、成果物は原則公開するとか、刺激になる仕掛けを入れるといいかもしれません。

そもそも基本はコミュニティで試行するイベントの企画を落とし込む会なので、問題ないでしょう。公開して有意義な意見をもらえるかもしれません。

オンラインツール合同自主練

このコミュニティには研修や学校の講師、企業の人材開発、イベントオーガナイザーなどが少なからずいます。オンラインツールを主催や講師の側として使うので事前に試したいというニーズを持つ人も多いです。

オンラインツールは、ホストから、相手方にどう見えるか、ユーザーがどう感じるかなどを把握できないからです。誰かモニターになってもらいフィードバックを受けたり、他の人にホストになってもらって自分がユーザー視点で検証するなどしなければなりません。さもないと、有効なファシリテーションやイベント設計ができないでしょう。

緊急事態宣言の頃に何回かやっているこのイベントをレギュラー化します。facebookなどでグループを作り、ツールや検証内容を決め、ホストになれる人決めて、回す感じになるでしょう。有償ライセンスが必要なら持っている人のプールも必要かもしれません。

検証結果は、Googleドキュメントなどでリアルタイムで記録し、終了後即時公開することを基本とします。あとで直すのは面倒で負荷になるので、粗くても即時発行とします。わかる人がわかればいいので、誰が読んでもわかる文章に整形することもないでしょう。即時にレポートが必ず出る仕組みを気軽に定例で回せることが大事です。

新しいツールが注目されたり、大幅なアップデートがあった際にはこのグループで検証をすることになるでしょう。検証やレポート作成のレベルが安定的に高くなれば、ツールのベンダーと一緒に検証をしたり新しい使い方を共創するような、一歩踏み込んだ独自のイベントを共同で企画しても面白いでしょう。アウトプット自体価値があるだけでなく、関与する人にも特別な経験を提供できます。

オンラインタウンミーティング

このオンラインコミュニティでは運営チームの準備委員会があり、30人弱の方がいます。先日久々にオンラインで直接コミュニケーションする会を設けたところ、やはり色々考えていたことを双方話すことができ、とても有意義であったという声を複数いただきました。

これは何も限られたメンバーだけのことではないでしょう。今日時点で登録してくれている3,400人全てにそのような機会を提供できればと考えます。無論、全ての人がそんなに前のめりに話してくれる訳ではないでしょうが、素朴な疑問はあるものの、全員が見るようなポストに投げるにはハードルが高いと感じている人には、カジュアルな質問や提案をする良い機会かと考えます。

これも目安箱のように、提起されたことはその場で結論を出して改善し、結果については公開するのが良いでしょう。

現場の生声を聞く会

リモートワークやオンラインイベントの知見を創出するのがこのコミュニティのミッションです。ネットには多くの記事があふれていますが、その多くは本当の現場の当事者ではないでしょう。当事者は記事など書いている時間はあまりないでしょうし、そもそも記事を書くのはちょっと別のスキルです。書くことには何かしらの動機があり、ポジショントークになることもあるでしょう。

このコミュニティは現場の当事者が多くいるため、そういった人々の生の声を聞く会を設けてはどうでしょうか。対面営業ができなくなった営業はどうしているのか、入社したが出社したことのない新人が感じている不安は何か、人事労務の今の課題感、リモートがしにくい経理における工夫など、テーマを絞って、何人かの人にパネルディスカッションしてもらうと、現場同士の意見交換から思いがけない学びもあるかもしれません。

そうして登壇者にも刺激と学びになり、新しい役立つ知見が流通するきっかけとなる場を作れればと考えております。

「声出し」のキッカケをつくる

オンラインの難しさの1つになかなか「声出し」がないということがあります。ついつい事務連絡か、主催者か投稿魔の投稿でタイムラインが埋まってしまう、といった状態です。人数が3,000人を超えている現状では、全体のタイムラインでは難しいと思いますが、運営チームのグループでは、もう少し活発に気軽に「発声」できる仕掛けを入れたいと思っています。

1つは新しく人が入った時のような「イベントドリブン」なきっかけ。しかしこれは覚えているのが大変だったり、さほど機会がなかったりします。私がよくできた仕掛けだと思っているのが「Community Manager Community Hub」というグループの#なんでもありデーという仕掛けです。これは、水曜日はなんでも投稿していよとして、気軽に投稿することを促す仕掛けです。実は(公表もしてますが)、いつでも好きに投稿はしていいのですが、あえてとっかかりになりやすいように日を定め名前をつけることで、投稿させやすくしているのです。

また、ある人から聞いたものを応用したアイデアで、毎週月曜午前など、決まったタイミングで簡単な一言をポストするという仕掛けです。毎週だと負荷が高いなら、第1週は苗字が「あ」の行、第2週は「い」の行など、ばらけるようにして、最低月に1回は何かつぶやくなどのルールにします。

つぶやきはあくまできっかけで、他の人はそこに何かコメントし、会話のきっかけにする、といった意図です。このようなTipsは色々なコミュニティで色々試されていると思うので、それを自然に回る仕組みとして組み込んで、建設的な議論が活発で刺激を受けつつ、居心地のいいコミュニティを作り上げられればと考えております。

フル・オンラインのコミュニティ実験場

こちらのコミュニティで順次形にしてまいります。近々説明・ディスカッション会を実施するので、よろしければご登録ください。

ご紹介:オンラインセミナーのノウハウをまとめた新著

よろしければTwitterもフォローください〜 https://twitter.com/Ryu_8cchobori