コミュニティ立ち上げを考える企業が陥りがちな「落ち葉」現象
「コミュニティを作ろうと思っている」という企業の方と話すと「落ち葉の価値に気づいていないな」と思うことがあります。
何年か前に地方創生のアイデアビジネスとして注目を浴びた「山に落ちている葉っぱを高級料亭に売る」事業。
その裏を返した「他の人にとって実は貴重なリソースが、当人達にとっては当たり前すぎて価値に全く気づいていない」という現象です。
場所、顧客、プロダクト、連絡先・認知…
いずれも、名も無き個人やスタートアップが新しく場を作ろうとする時不足するものです。
場末のオンボロだろうが自由度高く使える場があれば、集まりをやる工数・費用・精神の負荷が減ります。
既に会社と取引ある相手なら、まずはほぼ無条件に信用してもらえます。
プロダクトがあれば、集まる口実が容易に作れます。
登録された連絡先、フォローしてもらっている、知られているなど、それだけでも案内に対する返信率・参加率が上がります。
もちろん、過去がある分、面倒なしがらみがあるかもしれません。
それでもなお、どこの馬の骨とも分からない「会」が、よく分からない「口実」で、誰がいるかも分からない集まりを、これから始めると言われるよりは、差し引き考えても、明らかにマシでしょう。
価値に気づくには
さて、馬の骨の人々からは垂涎の的ともいえるこれらの価値に、当人たちが気づかないのはなぜでしょう。
それは、山村の落葉のように、あまりにも当たり前であることと、それに価値を見出す人との接点が乏しいからでしょう。
裏を返せば、外の人と接すれば、自分たちの持つ何が、どのような具体的価値を持つか、聞かずとも教えて貰えるでしょう。
茶飲み話に留まらず、相互補完的する具体的取り組みまで踏み込めると、具体的なかみ合わせが分かるでしょう。
「信用」が最大の資産
注意が必要なのは、相手にとって価値があるからと安易に使うと、過去から積み上げた信用という資産を一瞬で失う危険性があるということです。
場所を提供した主催者が、預かり知らないところで胡散臭いイベントをしたら、事情を知らない人の中には、同じ穴のムジナと思う人もいるでしょう。
オープンさと用心深さのバランスも重要です。
まずは気軽な企画から
初めて一緒に何かする相手なら、最善はその相手を知る別の人から評判を聞くことです。
かといって、恐れて何もしなければ何も進みません。ガードが固すぎると、逆効果のこともあります。
失敗してもダメージの大きくない企画から始めるといいでしょう。
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