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[インタビュー] フリック監督、CL制覇を前に

新型コロナウイルスに伴い延期されていた、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント再開を前に、フリック監督が、ドイツ・SPORT1に語った独占インタビュー。選手へ接する際に意識していることや、スタメンの考え方など、現在の彼のスタイルにも通ずる思想が垣間見える内容です。
【記事リリース日:2020/8/6】

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事)

SPORT1: 3冠獲得の監督になるイメージはありますか。

フリック監督: 今はまだ目の前にチェルシーとの第2戦が残っている。我々が優勝候補の一角だという記事はもちろん目にするよ。だが、この(準々決勝以降の)トーナメントには、とてつもない強さのチームが数多く揃っている。そのため、常に日々のコンディションが重要となってくる。

SPORT1: 選手たちにとっても、昨年のCLでの早期敗退もあり、今シーズンは開幕前からCL優勝に対する気持ちは強かったのではないでしょうか。

フリック監督: そこからモチベーションを引き出すのは前向きなことではあるが、どの試合でも個別に臨む必要がある。ここ数試合で我々が際立っていたのは、勝利への強い意思だ。(ブンデスのタイトルレースで)全てが決していても、我々は素晴らしいメンタリティを見せてきた。これこそがばいやんの象徴的な姿であり、我々のDNAだ。この姿勢をチャンピオンのリーグでも披露したいね。我々は全てを出し切るつもりだ。

SPORT1: 少しチェルシーについてもお聞かせてださい。ティモ・ヴェルナー移籍をどう思いますか。

フリック監督: ティモはとても面白い選手だ。彼は絶えず結果を出しているね。時にゴールを決め、また時にアシストでも貢献する。チェルシーでもきっと彼は変わらず活躍するだろう。

SPORT1: 彼に続き、カイ・ハヴァーツもロンドンへと移籍したらどうなるでしょうか。

フリック監督: セラヴィ (そうなったら仕方ないね)

SPORT1: ばいやんの話題に戻しましょう。チームの現在のプレースタイルをどうお考えですか。

フリック監督: 我々は、コーチ陣の求めるプレーができている。守備面で言えば、積極的なボール奪取であり、攻撃面では、ゴールに向かい得点を奪う姿勢だ。それぞれの動きにおいて、集中力はその際とても重要だ。それに加えて、我々は魅力的なポゼッションサッカーを目指したいと考えている。そのために特に必要なのは、チームとして機能することと、そして、選手一人ひとりが自身の役割をきちんと把握することだ。誰もが力を尽くし、ピッチ上で周りの選手を信頼できること。それこそが極めて重要だ。

SPORT1: あなたは常に冷静沈着に見えますが、タッチライン際であなたに怒られた選手はいますか。

フリック監督: そういう経験をした選手がいるかどうか、また、私がそうした対応をしたことがあったかは皆目見当がつかないね。ただ、私が重要視するのが、解決策を示すことだ。たとえ私が怒り狂ったり、顔を赤らめて怒鳴り散らしたところで、何も生まないだろう。また、監督として他に重要なことは、いつも変わりばえのない対応をするのではなく、現状を分析的に捉えることだ。優れた分析こそが、問題の解決に繋がるはずだ。

SPORT1: 固定メンバーについての考え方をお聞かせください。基本的に、あなたはスタメンを変えることが少ないですね。

フリック監督: マヌエル・ノイアーは固定だね。変えるつもりはないし、私自身もそれは問題ないと思っている。だが、過去5試合で結果の出ない選手がいれば、監督としては動かざるを得ないね。結局、我々は結果主義のビジネスに身を置いているのだから。だが実際には、我々の試合を見ればメンバーの変更は少ないことが分かるだろう。怪我で数名の離脱はあるものの、チームは好調で、軌道に乗っているからね。変更する理由はあまりない。

SPORT1: レロイ・サネが固定メンバーになれるかどうかも、彼の結果次第ということですか。

フリック監督: そうだね。彼もその対象だ。

SPORT1: チアゴは移籍を望んでいると言われていますが、失望する気持ちはありますか。

フリック監督: 選手の考えには理解を示すよ。チアゴはスペインのバルセロナで、そしてドイツのばいやんでプレーした。次はプレミアリーグで挑戦したいというのであれば、その気持ちは凄く分かる。だが彼はチームに大切な何かを与えてくれる選手であるため、残念ではあるけれどね。そのため、監督としては来シーズンもぜひ彼に残ってほしいが、人生とはこういうものだ。

SPORT1: もしもチアゴが退団した場合、どう戦力を補う予定ですか。

フリック監督: メンバー構想については、ハサン・サリハミジッチおよび彼のチームスタッフと話し合いを行なっている。密に意見交換をしているよ。ただ、今はチャンピオンズリーグに照準を合わせており、あまり細かくは教えられない。

SPORT1: アラバとの話し合いも近く行われると言われますが。

フリック監督: いや、今は予定していない。我々は皆、うまく状況と向き合い、ダヴィドは契約をあと1年残している。我々全員がダヴィドの契約延長を望んでいる。もちろん私もその一人だ。

SPORT1: アラバとボアテングは、現在のばいやんで最高のセンターバックのコンビですか。

フリック監督: 彼らが共にプレーするなら、現時点ではこの2人を推したいね。この数ヶ月、彼らは素晴らしい連携と好調なプレーを見せてくれた。これは重要なことだ。現時点の話だが、この2人がこれまで期待された以上の信頼を集めているのは明らかだ。我々の次なる目標は、リュカ・エルナンデスとニクラス・ジューレもそこへうまく馴染ませることだ。彼ら2人も練習での状態はとても良いからね。

SPORT1: エルナンデスはクラブ最高額で獲得した選手ですが、彼のような選手をベンチに座らせておくことで、監督としてプレッシャーを感じることはありますか。

フリック監督: プレッシャーはないね。選手は、支払われる移籍金に対して何もできることはないし、移籍金によって出場機会が確約されるわけでもない。ばいやんでは、常に結果が何よりも重要視される。

SPORT1: チャンピオンズリーグもいよいよ大詰めですが、フィリペ・コウチーニョのどんな役割に期待していますか。

フリック監督: フィリペは今とても好調だと私は見ている。フィジカルの状態は良く、それにより、彼は選手としてより良いパフォーマンスを発揮できるだろう。当然、私は、彼がかつて見せた輝きを再び見せてくれることを願っているよ。できれば、今後数試合の中でね。

SPORT1: あなたは、ばいやんで数多くの若手を召集し、起用してきましたね。最近では、ジャマル・ムシアラ、ブライト・アレイ=ムビ、マリク・ティルマンがいます。彼らはブレイクを果たすことができますか。

フリック監督: それを決めるには時期尚早だ。彼らの召集は、キャンパス責任者との同意に基づき、こうした選手たちの更なる成長を促進するためだ。この数ヶ月で見えてきたことだが、我々トップチームと継続的に練習を共にすることで、彼らはさらに良くなっている。これが我々の目標だ。全ての選手が素晴らしい素質を持ち合わせているが、まだ成長の余地も大きい。

SPORT1: トーマス・ミュラーは先日、あなたとペップ・グアルディオラ氏を比較する発言をしていましたが。

フリック監督: 私もその記事を読んだが、とても嬉しかったよ。トーマスはチームメイトのことのように語っていたが、私への称賛よりさらに喜ばしいことだね。また、これは、チームにとても大きな称賛に値する人たちがいることを表している。同様の賛辞を、我々のコーチ陣にも伝えたい。最終的な責任は私にあるのは確かだが、日々、コーチ陣は私をしっかりとサポートしてくれており、そのお陰で、私は本来やるべき仕事に集中できているのだからね。

▼元記事
https://m.sport1.de/article/5636655

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