マンション標準管理規約 第18条(使用細則)

←標準管理規約第17条 標準管理規約第19条→

2021年6月22日改正(コメント部分のみ)


条文

(使用細則)
第18条 対象物件の使用については、別に使用細則を定めるものとする。

コメント

第18条関係
 使用細則で定めることが考えられる事項としては、動物の飼育やピアノ等の演奏に関する事項等専有部分の使用方法に関する規制や、駐車場、倉庫等の使用方法、使用料、置き配を認める際のルー ル等敷地、共用部分の使用方法や対価等に関する事項等が挙げられ、このうち専有部分の使用に関するものは、その基本的な事項は規約で定めるべき事項である。また、マンション内における感染症の感染拡大のおそれが高いと認められた場合において、使用細則を 根拠として、居住者による共用部分等の使用を一時的に停止・制限 することは可能であると考えられる。
 なお、使用細則を定める方法としては、これらの事項を一つの使用細則として定める方法と事項ごとに個別の細則として定める方法とがある。
② 犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項である。基本的な事項を規約で定め、手続等の細部の規定を使用細則等に委ねることは可能である。
 なお、飼育を認める場合には、動物等の種類及び数等の限定、管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握、専有部分における飼育方法並びに共用部分の利用方法及びふん尿の処理等の飼育者の守るべき事項、飼育に起因する被害等に対する責任、違反者に対する措置等の規定を定める必要がある。
③ ペット飼育を禁止する場合、容認する場合の規約の例は、次のとおりである。

ーーーーーー
ペットの飼育を禁止する場合
(ペット飼育の禁止)
第○条 区分所有者及び占有者は、専有部分、共用部分の如何を問わず、犬・猫等の動物を飼育してはならない。ただし、専ら専有部分内で、かつ、かご・水槽等内のみで飼育する小鳥・観賞用魚類(金魚・熱帯魚等)等を、使用細則に定める飼育方法により飼育する場合、及び身体障害者補助犬法に規定する身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬及び聴導犬)を使用する場合は、この限りではない。
ペットの飼育を容認する場合
(ペットの飼育)
第○条 ペット飼育を希望する区分所有者及び占有者は、使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措置をとることができる。
ーーーーーー

④ 専用使用部分でない共用部分に物品を置くことは原則として認められないが、宅配ボックスが無い場合等、例外的に共用部分への置き配を認める場合には、長期間の放置や大量・乱雑な放置等により避難の支障とならないよう留意する必要がある。
⑤ 第12条において住宅宿泊事業を可能とする場合は、必要に応じ、住宅宿泊事業法第13条に基づき掲げなければならないこととされている標識の掲示場所等の取扱いについて、あらかじめ使用細則において明確化しておくことが望ましい。

解説

 この条文は、昭和57年にはじめて標準管理規約が制定された当時から変わっていない。
 ただ、平成16年改定の標準管理規約で第70条を新設して『総会及び理事会の運営、会計処理、管理組合への届出事項等については、別に細則を定めることができる。』という条文が追加されて、「使用細則」と「細則」の2つが標準管理規約に表れている。

 細則を作るにあたっては、規約の内容を超えないこと。また、日常の使用や管理に関する事だけでなく、災害時に管理組合がどうすれば素早く対応できるかなどを考えて、細則を作っていき、場合によっては細則の根拠となる規約まで改定して、マンションの将来を見据えた細則の運用を行う。

 日常だけでなく、防火防犯そして防災・減災につながるように細則を作成し、運用していくこと。

 置き配など感染症対策のための敷地および共用部分の使用方法も定めておくのも良い。

参照条文等

標準管理規約 第70条(細則)
 総会及び理事会の運営、会計処理、管理組合への届出事項等については、別に細則を定めることができる。

標準管理規約 第37条(役員の誠実義務等)
 役員は、法令、規約及び使用細則その他細則(以下「使用細則等」という。)並びに総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとする。

標準管理規約 第72条(規約原本等)
4 区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、理事長は、規約原本、規約変更を決議した総会の議事録及び現に有効な規約の内容を記載した書面(以下「規約原本等」という。)並びに現に有効な第18条に基づく使用細則及び第70条に基づく細則その他の細則の内容を記載した書面(以下「使用細則等」という。)の閲覧をさせなければならない。


ここから先は

0字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?