区分所有法 第68条(規約の設定の特例)

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条文

(規約の設定の特例)
第66条 次の物につき第66条において準用する第30条第1項の規約を定めるには、第一号に掲げる土地又は附属施設にあつては当該土地の全部又は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の四分の三以上でその持分の四分の三以上を有するものの同意、第二号に掲げる建物にあつてはその全部につきそれぞれ第34条の規定による集会における区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議があることを要する。
一 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)
二 当該団地内の専有部分のある建物
2 第31条第2項の規定は、前項第二号に掲げる建物の一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての同項の集会の決議に準用する。

解説

 団地管理組合は全員で共有する土地と附属施設を管理する団体である。そのため、団地管理組合は重層的に存在することが可能であり、それらの部分をそれぞれの団地管理組合や棟の管理組合で管理すれば統一性が損なわれる可能性がある。そのため、全部を含む団地の管理組合でそれらを管理していく方が統一性が保たれる。全体を含む団地管理組合で統一的に管理するためには、規約で定めることが必要である。これらの管理を規約に定めるには、全部を含む団地の集会において建物所有者数と議決権のそれぞれ4分の3以上の決議に合わせて、以下の要件が必要となる。

A 一団地内の一部の建物所有者(専有部分の区分所有者含む)により共有されている土地または附属施設
B 団地内にある専有部分のある建物

 前述のAの部分を全体の団地管理組合で管理するためにはその共有者の4分の3以上の数と持分の4分の3以上の同意、Bの部分を団地管理組合で管理するためには、その棟の集会においての特別多数決議を要する。この集会において一部共用部分がある専有部分のある建物の場合、区分所有者全員の利害に関係しないもの(一部共用部分の共有者のみの利害に関係するもの)については、一部共用部分の共有者の4分の1または議決権の4分の1が反対したときは団地管理組合でその管理はできない。

 なお、戸建てや一棟をすべてを所有して部屋を賃貸している建物など、専有部分のない建物の所有者のみで共有している土地等は、その部分を一部として含む団地管理組合では管理できない。その場合は、それを共有している専有部分のない建物所有者のみで管理する。

参照条文等

区分所有法 第30条(規約事項)
第30条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。
区分所有法 第34条(集会の招集)
 集会は、管理者が招集する。
2 管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。
3 区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
4 前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。
5 管理者がないときは、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
区分所有法 第31条(規約の設定、変更及び廃止)
2 前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

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