区分所有法 第67条(団地共用部分)

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条文

(団地共用部分)
第67条 一団地内の附属施設たる建物(第1条に規定する建物の部分を含む。)は、前条において準用する第30条第1項の規約により団地共用部分とすることができる。この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
2 一団地内の数棟の建物の全部を所有する者は、公正証書により、前項の規約を設定することができる。
3 第11条条第1項本文及び第3項並びに第13条から第15条までの規定は、団地共用部分に準用する。この場合において、第11条第1項本文中「区分所有者」とあるのは「第65条に規定する団地建物所有者」と、第14条第1項及び第15条中「専有部分」とあるのは「建物又は専有部分」と読み替えるものとする。

解説

 団地共用部分になるのは団地建物所有者全員で共有している附属の建物または区分所有建物。この部分を、団地管理規約で定めることで団地共用部分になる。法定で団地共用部分になる部分は無い。

 団地建物所有者全員で所有している附属の建物は、規約で定めなくても団地管理組合で管理はできるので規約で定める必要はないが、専有部分や建物の売却時にその附属の建物の所有権も合わせて移動させないと、ずっと所有者として残ってしまうことになる。建物を譲渡した場合、建物と附属の建物の所有者を揃えるための労力を減らすためには、団地共用部分として登記していた方がよい。

 第2項は、団地共用部分を公正証書で定められる規定であり、第32条と似ている。しかし、第32条には「最初に」が入っているが第2項には最初にと言う言葉が入っていない。専有部分のある建物の専有部分を全て一人で所有していても共用部分は存在し、また分譲業者も専有部分のある建物として建築して(あるいは一棟全体をリフォームして)販売し、売れても売れなくても、あるいは自分で全部を使用したとしても、その建物がある限り専有部分のある建物として存在する。専有部分のある建物の完成直後に第32条にある規約を定めた方がよいので「最初に」が付く。

 この第2項は、団地関係になることを前提にしている。しかし、土地または附属施設を数棟の団地建物所有者で「共有」しているものが団地であるので、第2項の状態だと団地関係にはならない。団地でないものが団地共用部分の規約を作れるということになる。また、最初に一団地内の建物全部を所有するものは、自分で全体を使用するために所有し続けることも可能なので、団地共用部分を作る必要はない。団地共用部分を作るべき時期は最初ではなく共有を始める前である。

参照条文等

区分所有法 第30条(規約事項)
準用後

 土地等又は第68条第1項各号に掲げる物の管理又は使用に関する第65条に規定する団地建物所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
区分所有法 第32条(公正証書による規約の設定)
 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、第4条第2項、第5条第1項並びに第22条第1項ただし書及び第2項ただし書(これらの規定を同条第3項において準用する場合を含む。)の規約を設定することができる。
区分所有法 第65条(団地建物所有者の団体)
 一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。


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