寄生人

生体型集合住宅は生物そのものなので
生存に必要なものは全て自動供給される
細胞壁を透過した淡い光が空間を満たし
エレベーターは繊毛にくすぐられ昇っていく
惜しむらくはウツボカズラではなく
ホタルブクロの遺伝子を使うべきだった
稀に昔の記憶が蘇り
寄生人が溶かされる


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