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こんちくけ
2022年10月31日 22:55
発泡水を飲み干すと毛穴の芯から泡立ち始めた出口を求めて細かく切り分けられた私がぶつぶつぷつぷつ沸々と
2022年10月31日 22:15
子音の長さなんて意識したことはなかった母音を引き剥がし少しずらして重ねる新しい響きだ新しい言葉だ繰り返す、やがていつもの響きに戻るただし別の意味或いは人でなしな言葉ひとつの口腔では操れない
2022年10月28日 17:59
捻くれ捩じれた電線に従うように走る電車に乗った吊革が揺れる度顔が夜空にへばりつく列車の窓の硝子が割れて雨水が白い糸をひく三日月だ刀のような三日月だ最終列車の最後尾闇に連なる白い残像連結器連結器連結器
2022年10月22日 11:08
ブリキの筆箱の蓋を開けたら幼い頃に閉じ込めた空気が解放された中には飴色の鉛筆と並んで折れてしまった私がたくさん保管されていた擦り付ければまだ何か書けると思う
2022年10月17日 15:47
私は私が私を観察するときだけあらわれるからあなたはあなたがあなたに耳打ちするときだけあらわれるからからまわりのダンス二重振り子がお手本じゃ無理だ私は私が私に耳打ちあなたはあなたがあなたを掻き混ぜるから
2022年10月16日 06:34
昨晩おやすみと言ったのは遠くのあの人宛てでした両の掌を閉じて開いて皺が若干背伸びして冷たい空気を吸い込んで今朝おはようと言ったのも遠くのあの人宛てでした
2022年10月9日 20:51
硝子コップの縁にまだあなたが残っていたから丁寧に洗浄し光量の差分を分析した曲面の向こうには平らな窓硝子があり光はふらふらとそちらからやって来てまたそちらへと戻って行くように思えた何気なくコップを伏せたらあなたが溢していった空っぽが閉じ込められていた痕跡がなかなか消えない
2022年10月8日 09:27
人ごみの中のランチタイムひとかけらになって店の前の行列ダストマットにとらわれて身動きできずにいる、ので頭の中だけでいろいろとまとめるまとめるとまとまるのか?いないという出来物が背中にありいないというでっぱりが睡眠を妨げた現状朦朧な私はラーメン食べたい、と思ってる
2022年10月2日 19:39
全館停電のオフィスビルの中僅かなバッテリーで古い映画を再生した相変わらず他人を助けてしまう無神論者が好きだし疑うことを畏れず努力する人が好きだNetscapeのアイコンに星が流れ詩人を乗せるべきだったと主人公が呟くそうだよな私が全存在を賭けて告げる事実に私が耳を傾けよう