2022年7月の記事一覧
どこかにつながってる
あの世も温暖化で冷気が足りないらしい
列車の連結器の近くのシートに座ってたら
目の前に汗だく幽霊が立ち
隣に蒸し蒸し幽霊が座り
白い布で互いをばたばたと扇ぐ
汗臭い
ふと、ここがかれらの通用口だと気付いて
席を立ったら
シートの奥角隅の隙間に吸い込まれて消えた
どこかにつながってる
すべてに休みが訪れる
すべてに休みが訪れる
ひと息ふた息、
やがて永遠の休息につく時には
私の喉笛がひゅうひゅうと鳴り
それさえ愛おしく思われる
少しばかりの水で湿らされ
その最後の冷たさに
ほんとうの優しさを知るのだろう
すべてに手が差し伸べられて
私はただ待つのだろう