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こんちくけ
2022年6月30日 17:34
母さん 父さんの所 行くから と 昼下がり みいちゃん と はあちゃん 連れて 早く歩きなさい と 言う 母さん だって ジョンが ジョンが と みいちゃん 紐を 引っ張り 引っ張り するが 犬のジョンは 片足けんけんで 引っ張られ 引っ張られ ジョンが ジョンが おしっこ してるから かわいそう かわいそう と みいちゃん と はあちゃん わかったから 母さん お花買うから 先に
2022年6月29日 17:14
早く目覚めたので地球と一緒にまわりながら朝を迎えに行った朝は頭のてっぺんからぬるぬると現れて頭上を飛び越え反対側に飛び込んだ最後に足の裏をひらひら見せながらきらきらの星しぶきをあげ全部沈んだ取り残された私は八時間だけ気を失って地球と一緒にまたまわる
2022年6月28日 20:01
自由が悪者にされているこんなんだったっけ右も左もそうなのかそういうことなのかそういう奴らなのかそういう我らなのか小さく前へ倣えして肩甲骨をぐりぐりしたら怒られたなんだよ小さくって
2022年6月27日 15:06
過冷却なままそっとやり過ごす揺れれば一気に凍りつき海も空も閉じ込められる群れて泳ぐ青が夕陽で温められて生まれた茜が止血してくれたらすこしづつまばたきを始める塩辛い水がまたもどってくる
2022年6月25日 16:36
よその心が集団で押し寄せる肋骨の隙間から引っ張り出された私の心が薄暮の地べたへ垂れ落ちる郵便ポストの朱の翳り宛名に共感しないよう投函するのは私です
2022年6月23日 07:33
げらげら笑う赤ん坊がぷかぷかと漂っているひもがおへそにつながれていてひっぱるともっと笑うつられて笑うと顔が空いっぱいに膨らんでやあ、と言ったしゃべれるのか
2022年6月22日 11:03
長椅子が硬かったのでお尻の片方だけで浮かんでいた浮かんでいると空気が動き浮かんだヒトが寄って来たひとつずれたら柔らかく花柄の床まで沈みこむ譲られ隣に座ったヒトがそのまま後ろにひっくり返った便座もときどき浮かんでいる最近はときどき温かいそちらはあまり好きじゃない
2022年6月17日 15:56
日曜日だ、そこで考えが目詰まり傘をささなかった横断歩道をわたった古本を二冊買った帰る、帰る、帰る、ほっとした夕寝したとても古い夢庭は砂地だった海の、かたわらの、松林の、裏
2022年6月14日 21:36
上澄み水の中を黄色い花が泳いでいるのが見える全て泥水だと思っていたけれどそれはまちがっていたようだ鉄橋を渡る電車の窓から水嵩を増した川を見下ろすと似ているようで似ていない今日が砕かれなだれ落ち水に流されるのが見える
2022年6月12日 08:46
期外収縮を繰り返すたびに横隔膜に憂鬱がぶら下がるわざとらしい彫刻のような姿に無理解の波紋がひろがってゆく空咳が鼓動を取り戻すかわりに世界は少しだけ切り捨てられる大丈夫なやつなんでと、いう台詞がマスクの裏側に蓄えられる面倒になる
2022年6月11日 16:57
真空が震えてる音がしてるのはその周りだけまあそういうもの冷房が効いてるいまはにおってないあんまり洗ってない頭のてっぺんに風が当たる私の輪郭も震えて明日の準備をしている
2022年6月9日 17:12
触れた指の先にまとわる熱がふたつならんでひとつは鈴ひとつは笛の音をたててかたくなな世界が小さく綻び舞い落ちる微笑みのかけら
2022年6月7日 17:57
自ら肉体を棄てる進化を選んだヒト科最後の標本です。苦しみを生み出した肉体が、実は苦しみにブレーキをかけることができる唯一のものだったと悟るのが遅すぎました。肉体を失い目には見えなくなったヒトは今でも永遠の苦しみの中にいます。地獄の現実化ですね。救いはどこにもありません。
2022年6月6日 11:20
(津波に関わる描写がありますのでご注意ください。)↓↓↓↓↓↓↓↓子供が泣くのでおもちゃを取りに戻ったナップサックに詰め背負った時泥水に飲み込まれた材木にはさまれ骨が砕かれるのがわかったおおきくなってこのことを知ればあの子はきっと自分を責めるだろうおもちゃが詰まったこのナップサックだけはなんとか肩から外そうとしたが腕が動かないそうだ、このナップサ