【採用担当者向け】オンライン面接への入口
ここ数日、企業の採用担当者であれば「オンライン面接」という言葉を
うんざりするほど聞かされているのではないだろうか。
上層部が使ったことが無い、或いはタコの様なヘンテコな形のマイクが設置されているビデオ会議を想像しながら
「はやくO塚商会に電話しろ」
或いは、
「オンライン面接なんてロクなものではない」
等と色々言ってくる事に対して、頭を悩ませている採用担当者も多いのではないかと思う。
本日はそんな採用担当者向けにオンライン面接について書かせて頂く。
オンライン面接とは
オンライン面接とは、採用方手法の一つで、PCやスマホを通して、学生と面接をおこなうことを指す。
それ自体は目新しいものでは無く、Skype等の広がりとともに2010年あたりから導入をする企業が散見される様になった。
しかし、当初は面接用に作られたものでは無く、あくまでオンラインTV電話を面接に使うだけであった為、間の取り方が難しい、表情が分かりにくい、
資料を共有できない、スケジュール管理は別でしなければならない等の
「使いにくさ」
が多分に感じられた。
その為か、初期の頃に導入を検討した経験のある上層部にはあまりウケが良くない場合がある。
オンライン面接の目的とその達成
目的は「目の前の流行しているウイルス対策」以上!
では、終息後「やはり対面が良いよね!」等と部分的な話になりかねない。
本来オンライン面接にはメリット、デメリットがあり、それを自社に合わせて上手く組合せて行くことが必要である。
どちらが良いか悪いかではない。
主な目的としては
・時間を節約したい
・疫病の感染等を防止したい
・出張コストを削減したい
・スケジュール管理を一括で纏めたい
・録画をして後で見直せる様にしたい
・母集団を増やしたい
・応募者と資料を共有したい
・地方の応募者ともコンタクトが取りたい
等がある。
しかし、体験から書かせて頂くと
「双方Web面接に慣れていないと目的を達成する事は難しい。」
先日ある学生にオンラインでコンタクトをさせて頂いたが、繋がって10秒で切る事になった。
その学生は、山手線のホームで面接を受けようとしていた様子で、その何が悪いのか理解できていなかった様子であった。
また、自宅でも家族がいる居間で受けようとした方がおり、同じく10~20秒程で切らせて頂いた。
その他にも通信環境が悪い、バッテリーが切れた、ソフトがDLできない等の対応で予定よりも多くの時間がかかってしまった。
初年度から予定通り出来るとは思わない方が良いかもしれない。
弊社がこれまでにつかってきた4つのツール
弊社では1~2次面接の代行事業も行っており、基本的にお客様の選択されたツールを使って面接をする事になる。
その為、これまで4つのオンラインツールを利用してきたので、そのメリット・デメリットを記させて頂きたいと思うが、まずは共通する事から。
共通する4つの事
1:専用アプリをDLさせるサービスはあまりおススメできない。
これからの新卒採用であれば大手どころのアプリは持っている学生が多い可能性が高い為、大きな問題にはならなくなるのかもしれないが、現状はDL、セッティングに手間を要し
「面接自体が実施できなかった」
なんて事にもなりかねない(昨年実際その様なケースがあった)。
Webブラウザーで面接が可能であるサービスを利用した方が無難である。
**
2:録画機能があった方が良い**
これは3つのメリットを感じた。
・自分の面接スタイルが分かる
・上層部も後から内容を見ることができ、同席する必要性が減る
・後から冷静に見返す事ができる
特に最後のものは、時間をおいて冷静に見ることができるので、
無理矢理な理屈や論拠で上に上げてしまう事が減ると感じた。
番外として、弊社の面接の仕方を人事担当の方にマスターして頂く「教育ツール」としてはこれ以上無いものである。
3:応募者と資料を共有できた方が良い
お互いに履歴書やESを見ながら面接をする事は変わらないが、
双方持っているレジュメが違ったり、どこの話をしているか分からなくなってしまう事が何回かあった。
「視線誘導」
ではないが、一つの物を一緒に見ながら進めた方が、進めやすいと感じた。
4:他のサービスとの連携ができるもの
特にスケジュールの連携が出来るかどうかはとても重要だと思う。
キントーンやオフィス365、Google等とは別にスケジュール表が存在する事を考えただけでゾッとするだろう。
▶インタビューメーカー
それでは早速個別に弊社が使ってきたものを紹介したいと思うが、
まずは「インタビューメーカー」(まとめサイトにある物はそちらを見て頂きたい。https://hrnote.jp/contents/contentsa-contents-saiyo-onlinemensetutoha-181219/)
私の欲しい機能(評価の共有、媒体連携、スケジュール連携、録画、資料共有)は概ね使えたので、とても使いやすかったと思う。
また、データも勝手に出てくるので報告と提案に便利。
しかし、機能が多すぎて慣れないと使いにくいと思う。
▶Skype
「まずはSkypeでやってみよう」という企業様が多く、弊社でも対応はしているが、正直おススメできない。
どの様な目的でオンライン面接をするかによるが、Skypeはあくまでテレビ電話のシステムであり面接の主要機能が備わっているサービスに比べて正直使いにくい(+重い)。
コストをかけずに~は理解できるが、やるならちゃんと専用ソフトを導入すべきである。これはfacetimeやzoomも同様の理由でおススメできない。
▶HARUTAKA
「使いやすい」
1年ほど前に利用したが、初めて使う方でも感覚的に使える様なUIだと思う。しかし、慣れてくるとやや物足りなさを感じてくるかもしれない
(スケジュール連携や面接者との資料共有は欲しかった)。
こちらも母集団を集める、録画した動画を観て合否を決める等の使い方には
良いかもしれない(動画見るのもかなり大変ですが・・・)。
▶V-CUBE
「使いやすいが・・・」
こちら、現在お客様が利用しており、渋々であったが
「えっ、録画できないの?」
と面接機能と資料共有機能しかない(プランの問題なのか・・・)。
元々Web会議システムを作っている会社なので、採用面接に欲しい機能までは手が届いていない気がする(と私は思った)。
値段も他社と比べて高い気がするし、これをわざわざ導入する意味は正直感じられない(弊社のクライアントは元々ここのWeb会議システムの提供を受けていたので導入したらしいが)。
▶番外:オンライン説明会
マイナビTV等媒体系の録画を使う事が気軽で単純に効果が出やすいと思う。
それに慣れてから、説明会のライブ配信やチャット機能を使った質疑応答等に手を出しても良いと思う(誰もグダグダな説明会をライブで見たいとは思わないだろう)。
▶まとめ
どこのサイトにも書いてあると思うが、利用目的はしっかりと定めておきたいところだ。
リアル面接の代替品という扱いでは無く、オンライン面接は様々な目的を達成する手段となる。
しかし、今までオンライン面接サービスやビデオ会議システムを利用していなかった(IT化や新しいものの導入に対して腰が重かった)企業が
いきなりこの4月からスムーズに利用するのはかなり難易度が高いと思う。
それでもと言う事であれば
・目的を絞ること
・UIの見やすいものを使う事
この2点がとても大切であると思う。
また、セキュリティー意識についても、自社が十分な状態であるかどうか
導入の前に今一度考えて頂きたい。
カトキチ@組織・人材開発コンサルタント
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