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いま中小企業経営者の間で話されている「若者ヤバイ論」

「新卒の考えている事がわからない・・・」「意味がわからない・・・」
この3年ほどで何件その様な話を聞いたかわからない。

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具体的には

・経営者との親睦会で経営者と話さず自分の仲の良い同期としか話さず帰る
・ペットボトルを捨てる時に中身が入ったまま捨てる
・お客様に敬語を使わない(使えない)
・電車の中で飲食をする(山手線)
・社長と会っても挨拶をしない
・人と話さない(すぐにイヤホンを付け話しかけるなというオーラを出す)
・質問に来たので、教えると『あー、そんなの分かってました』とか言う
・お客様との会食に「それ残業付きますか?」等と言っていつも来ない
・それ自分の仕事じゃないんで~等と言って他人の仕事を手伝わない
等々

の声が聞こえてくる。
エジプトのピラミッドにも「今の若い奴は~」の様な事が書いてあるらしいので、その様な類の話かもしれないが、中には日本の滅亡に繋がりそうなこともあるので注視していきたい。

自己中心的な世代

公認心理士の大美賀直子さんの記事より、現代の若者が自己中心的だと言われる理由には以下の3つがありそうだ。

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1:甘やかされている若者が多いという事実
  博報堂(2006年)の調べによると、今や1人の子どもが持つ平均ポケット(お金の出所)数は約7つ。つまり、父母、両方の祖父母、おじやおばなどを加えると平均7人くらいから、お小遣いやプレゼントをもらえる、ということ。我慢したり努力して手に入れるという経験も持ちにくくなります。
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2:「成功神話」に煽られて育つ若者が多いこと**
 「勉強ができればわがままが通る」「お金持ちの子は何をしても許される」……特別扱いが許される環境で育つと、成功するごとに自己中心的になります。
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3:他人のお陰で生きていけるという事が実感できない環境にいたこと**
 「自分はたくさんの人の支援のもとに生きている」ということが実感できない環境で生きている場合、やはり自己中心的な思考と行動が増えてしまうでしょう。

社会性を持って行動することが困難な方も一定数出てきている様だ。

失われた10年世代

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「成功のイメージができない」「どんなに頑張っても無駄」「プライベートを充実」
失われた10年や20年と呼ばれる1990年代~2000年代はその様な世相があり、会社へのロイヤリティ等は一気に失われていった。

また、自分の野望や願望も「安定した生活」の様なものになっていき、与信管理を手がけるリスクモンスター社による
「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」調査(2019年10月発表)では、「地方公務員」(27.5%)、「国家公務員」(19.5%)がワン・ツーで、調査対象の大学生の約半数が公務員を希望しているという
結果が出ている。

世界的投資家のジムロジャース氏が先日来日し、以下の様な言葉を残している。

「本来、今後稼げる人的資本が大きい若い世代は、リスクを取って外資系企業で働いたり、海外に飛び出したりしてもよいはずです。リスクを取ってこそ、リターンが最大になります。
私の周囲では、リスクを取って起業したりしている人は高齢者です。人脈や資金をもとに起業する場合が多いですが、
本来、リスクを取るべき人が取らずに、元気なのは高齢者というのが現実です。」
出典:東洋経済online

高い理想は無く、会社へのロイヤリティも無い、この様な状況では
経営者達のボヤキも聞こえてきて当然だと思う。
「会社のビジョンと本人のビジョンを合わせましょう」の様な事を言う
方がいるが、その本人のビジョンが無いのだ。

パワハラへの過剰反応

現在パワハラ問題に取り組む企業は「業務の適正な範囲」の説明に苦慮していると思う。
弊社のクライアントでも明文化を試みている企業があるが、やはり曖昧さが拭い切れない。

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N数を確保した調査は出来ていないが、パワハラを訴える若者の多くは目標達成できていない(方が多い)のではないかと思う。

「それ、あと10分くらいで終わりそうだから、最後までやって帰ってね」

「パワハラですよね、それ。あと5分で就業時間過ぎるじゃないですか?」

上記が日常的で無ければパワハラではない。

何でもかんでもパワハラだと言ってくる若者に対して、「それはパワハラではない」ときっぱり言える知識を身に着ける事が自分を守る事になる。

中小企業には良い新卒が回ってこない

さて、そんなこんなで「新卒採用止めようかな」という声も多数聞こえてくるが、結論しっかり採用市場で戦えないのであれば止めた方が良いと思う。
当然上記のような新卒に来られては困るのは大企業だろうが中小だろうが一緒である。
大企業に引けを取らない様な戦い方ができていないのであれば良いパイが回ってくるはずもない。
企業の魅力、採用の技術、力のかけ方を今一度見直さなければ今後もヤバイ若者とたくさん出会う事になるだろう。

カトキチ@組織・人材開発コンサルタント

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