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不便さは創造の源なのかも知れない

築60年以上経っている古民家へ家族で引越しをした。賃貸だから古民家再生やDIYは基本しない(はず)。だけど、トイレが汲み取り式だったり、色々と設備が古かったり、駐車場が無かったり、最新式の住宅に比べて不便な部分はある。

昔の私と夫だったら、恐らく、選ばなかったであろう物件。でも、今回は家族でこの建物になぜか無性に惹かれてしまったのである。そして、最近は、不便さに向き合うことへの抵抗が、昔より無くなってきている気がする。むしろ、不便さと折り合いをつけるために色々と工夫するのを楽しんでさえいる。(たぶん。)

駐車場が少し遠いので、車に乗るために散歩したりするのだけど、それもまた楽しい。車社会で、人間を越える速さで動いていると見落としてしまうものが、目に入ってくる。こんなところに綺麗な花が咲いていたのか…!と運転中はゆっくり見れなかった大自然の美しあを愛でながら、ふと、「不便さは創造の源なのかも知れないな…。」と、そんなことを感じた。

先々週の土曜日から毎朝6:45くらいから、私は毎週土曜日の朝にインスタライブをすることにした。初日は名古屋個展の出張先のホテルから、2回目は引越し当日の前の家から、と、絵の具を使えない環境からの配信であった。でも、それを言い訳にしたら一生やらないのでは…?、そう感じたので、とにかく始めることにした。するとアクリルマーカーが目に入り、これでコラージュ制作の素材作りができる!!と思いついたのだ。

以前、やはり絵の具を使えない場所で、でも、どうしても絵を描きたくて、持っていた絵の破片を貼り合わせてコラージュ制作を始めたこともあった。この時の作品は、それまで自分が描いていたものとはまた一味違った雰囲気になり、私の好きな作品の一つとなっている。

制約があることで、新たな発想が生まれる。絵を描いていると、そういった場面にたくさん出会う。だからなのか?暮らしの中の不便さも、新たな視点が生まれるきっかけになるのでは!!と、前向きに楽しめるようになってきた気がする。

どうやら、私は暮らしの中とキャンバスや紙の上とを行ったり来たりしながら、現実の世界と表現の世界をたゆたうように創作しているようである。新たな暮らしが始まるこの夏、自分の表現がどう変化していくのか?私もちょっと楽しみである。

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3-5年後に家族で世界に飛び出します、たぶん◎