黄昏の影

華やかに夜空に広がり そして消えていく花火
どこかに置き忘れた迷子のような人生を思わせる
誰もが 自分の居場所を探し求めて
行くあてもなく たださ迷う
美しく咲き誇っていた懐かしい日々を思い浮かべながら
信じるものが消え失せてから 後はしがみつくすべもなく 　ただ転げ落ちていくばかりだった
しがない俺を許しておくれ　 お前との約束を守れず　人ごみの中でお前の手を放してしまった
俺はそれから夢も行く先すら見失ってしまった
お前の背中が俺にはもう見えない
気がつけば そこには何もなかった
ただ黄昏に映し出された長い影が俺の行く手を阻むように覆っていた

求め合い 　傷つき 　そして失う
人生ってそんなに薄っぺらいもんじゃない……
そう思うけど 変わらぬ愛を誓い合うだけの今の二人には 全ては語れない気がする　

見てごらん　
流れていくよ　虚しさの渦へ
閉ざした心の影を引きずりながら
流れていくよ　  夜の終わりを待ちわびながら
流れていくよ 　本当の自分を探して
流れていくよ　満ち足りることのない雑踏の群れへ 　

流れていくよ　安らぎの街を探し求めて
歩き疲れたのさ
流れていくよ　誰も知らない深い眠りのなかへ