これからのビジネスパーソンの必須スキル「ディスカッション」について。

『ad:tech tokyo 2021』に行ってきました。今年のテーマは「ACTION ! IT'S ALL CONNECTED」。広告主、広告会社、メディア、ソリューションベンダーなど、各業界の最前線で活躍するトップマーケター総勢230名が登壇し、業界の最新情報や成功事例を共有シェアします。

生活様式も一変し、人々の分断化が言われるからこそ、改めて、人と人をつなぐコミュニケーションの重要性を考え、新しい社会をつくるアクションを生み出すマーケターの力が必要があります。

一連の状況を経たことによって成し遂げられるマーケティングのイノベーション、アップデートは何か?正解がない中でどう行動していくのか、参加者にとって今後の指針となるようなコンテンツを公式スピーカー、出展協賛企業とともにお届けします。

(「アドテック東京 公式サイト」より)

東京国際フォーラムで2日間(11/1~11/2)にわたって開催されています。

今年は、無料のビジターパスでの参加にしました。午前中の3つのキーノートセッションにオフラインで参加したあと、展示ブースをまわって早めの帰宅。昨年から、オンラインでの同時配信もしているため、リアルでの参加者数はだいぶ少なくなりましたね。

展示の数も2年前のおそらく半分以下だったように思います。活気がなくなって少し寂しさを感じました。その一方で、「リアルでしか味わえない空気感みたいなものってやっぱりあるよね」と、久しぶりにリアルイベント独特の刺激を受けることができ、短時間でも会場まで足を運んでよかったです。


初日のキーノートの最後は、丸亀製麺CMOの『南雲克明』さんと(株)TOKIOの『国分太一』さんが登壇され、両社でしかけてきたさまざまなプロジェクトの舞台裏の話を聞くことができました。モデレータは、博報堂DYメディアパートナーズの『嶋田三四郎』さんです。

※ご存じのかたも多いと思いますが、一応補足しておきますと、(株)TOKIOとは、アイドルグループTOKIOに在籍していた城島茂・国分太一・松岡昌宏の3名が今年の4月に立ち上げた会社です。国分さんはその副社長のポジションを担っています。


丸亀製麺は、今年2月に「うどんで日本を元気にプロジェクト」を立ち上げました。新型コロナウイルスによる未曾有の事態にあるなか、手づくり・できたてのうどんで、日本を元気にしたいという想いから始まった本プロジェクト。全国から“最高の食いっぷり”を発掘する「食いっプリ!グランプリ!」の開催を皮切りに、「丸亀うどん学校」や「麺と千尋の並行世界」など次々と新しいことにチャレンジしています。

(株)TOKIOは、会社の立ち上げからわずか数週間で、このプロジェクトの共創型パートナーシップを締結。その第一弾が国分さんがメインで関わった「こどもうどん弁当」の企画です。

※夏休み期間(7/21~8/31)の限定販売で、現在は販売終了しています。

セッションでは、この「こどもうどん弁当」の裏側に関するトークを軸に、正解がない時代で、どのようにしてユーザーに届くプロジェクトを「共創」していくのか、その秘訣や工夫についてお話しされていました。

鼎談を聞いていて強く感じたことは、「これからの時代で価値が高い人材はディスカッションできる人材だ」ということです。丸亀製麺さんのマーケティング戦略は業界のなかでも指折り。中途半端な戦略コンサルなんかが提案に行った際には、ボコボコにされて帰ってくるでしょう。笑

そんな企業のCMOが、「TOKIOのみなさんは、わたしたちにはない着眼点でいくつもの指摘・アイデアをいただきました。」と繰り返し話されていたんですね。たとえば、こども向けのお弁当をつくるとき「そもそもこどもって何歳までなんでしたっけ?」とか「おかあさんが一緒に食べることを考慮してメニューを見直してみませんか」とか。国分さんが「うどんについてド素人だから、見えてくる視点もあると思って真剣に向き合いました」とコメントしていたように、その業界について明るくないからこそ気づける視点があります。そういう人がいないと、たどり着けない結論が存在するのです。

新型コロナウイルスの影響により、従来マーケティング・セオリーが効かなくなりました。この時代の答えなんて誰も持っていません。それぞれのプレイヤーがプロフェッショナルとして、「共創」していくことが次の時代を切り拓く唯一の道なのでしょう。

そして、「共創」にはディスカッションが必要不可欠です。それぞれがそれぞれの立場で、感じたことや思ったことを共有し、ときには意見を戦わせてアイデアを磨いていきます。自分の意見を持たない人は、どんどん必要とされなくなっていきます。意見があってもそれを発言することができない人も同じです。司会者に「あなたはどう?」って振られるまで待っていてはいけないですね。


ぼくは学生時代にサッカーをやっていたので、いまでもときどき海外でプレーするサッカー選手のインタビューを見るのですが、みなさんよく「ここでは主張がない者は、何も意見がない人間として認識される」と言われています。自分からどんどん提案したり、主張していかないと戦う仲間として認められないんですね。これはスポーツの話ですが、ビジネスの世界もどんどんそうなってきていると思います。生き残りをかけた戦いをしているという点では、両者に違いはありませんからね。

「大勢がいるなかで、発言するのはちょっと怖いです。。」という意見もあるでしょう。気持ちもわかります。ただ、これからの時代はディスカッションに参加できない人材は置いてけぼりをくらうことは間違いありません。算数苦手だからといって、足し算、引き算からは逃げられないように、これからのビジネスパーソンはディスカッションから逃げてられないな。そう感じるセッションでした。


丸亀製麺xTOKIOのプロジェクトは、第三弾として「キッチンカー」がこの秋から始まるそうです。行先は順次発表予定とのこと。公開が楽しみですね。


【参考】



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