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ボーダレスアカデミーで失ったもの・得たもの・得られなかったもの

昨日は、ボーダレス・アカデミーの受講を決定するまでのてんやわんやを書いた。
今日は、実際にボーダレス・アカデミーを受講して感じたこと等を書いていきたい。

3か月間の集大成であるスタートピッチ

1.ボーダレス・アカデミーで失ったもの

①時間

これは、当たり前と言えば当たり前なんですが、想像以上に、アカデミーにコミットするためには時間が必要だった!

週1回の講義、と思っていると痛い目に合う。

週1回の全体講義に加えて、3人くらいずつのグループ分けがされ、一週間に1回は、このグループで進捗を話し合ったり、壁打ちをする。
だいたい、ボーダレスの授業が、水曜日、それから、グループでMTG(ミーティング)が土日あたり。
その合間で、ヒアリング、という構成になる。

私の場合、平日は8:30~18:00くらいまでは大抵仕事→保育園のお迎え→夜ご飯の用意・食べさせる
という流れになる。(出社の日は、7:45くらいに家を出る)

かつ、我が息子は、私のせいもあるが、とにかく遊ぶのが好きで寝るのが嫌いな子なので、とにかく寝るまでに時間がかかる。

すると、私に訪れる自由時間は、23時以降。

時間がない。

特にヒアリング時間の確保には苦戦した。

ヒアリング対象に打診してから、実際にヒアリングするまでには時間がかかるし、じっくり話を聞くと1時間はあっという間に過ぎる。

結果、時には息子の「遊んで~」の声を振り切り、ヒアリングに時間を割くということにもなり、それが結構きつかった。

「子育てを支援したいと言いながら、言っている私が子をないがしろにしていないか?」という葛藤が常に頭にまとわりついていた。

同時に、もっと時間をかけたかった、もっとやりたかったという想いもあって、100%起業プランの策定にコミットできていない自分にも苛立っていた。
子どもを産む前と同じように、子育て以外に打ち込めないことは理解していても、憧れのように、昔を思い出してしまう。

それでもなんとかかんとかやってこれたのは、「はしたかは、打ち込んでいることがある方がいきいきしているよね」と、私を責めもせず、子を連れだしてくれたり、家事を担ってくれた夫と、「助けて―!」の声に快く応えてくれた姉と、同じく子どもを育てながらも社会課題の解決に向けて起業を志す仲間と、あたたかく見守ってくれる同期のみんながいたからだ。

私の肌感覚としては、常に時間に追われている、気がついたら次の水曜日が来ている、という感じだったが、同期の話を聞いていると、それが「だれなくてよかった!」という強者もいた。

やはりタイムリミットの効果は絶大だ。

②ちっぽけな自尊心

ボーダレスに入ってしみじみ感じたことだが、
やっぱり私は人に頼るのが苦手だ。

同期の中にはメンターさんに積極的に連絡をとり、アドバイスをもらったり、事務局に壁打ちしてもらったりしている人たちがいた。
でも、私はそれができなかった。

メンターさんの貴重なお時間をいただくのに、こんな何も固まっていない状態で相談しては申し訳ない、とか、ヒアリングするのに、きちんと仮説を持っていないとだめだ、とか。

それは一理あるし、ある意味では正しいけれど、
ある意味では不正解だった。

自分一人で、悩み始めるとドツボにはまる。

私の場合、SC(ソーシャル・コンセプト)までは比較的スムーズだったけれど、BC(ビジネス・コンセプト)では、迷走しまくった。

理由の一つは、自分一人で考えて、まとまらず、動けなくなったことだ。

「助けて」と言えることは、本当に、重要な能力なのだと思う。
ヒアリングする中でも感じたけど、助けを拒んでいる人の力になるのは、
すごく難しい。

私の場合は、恥をかきたくないからというちっぽけな自尊心で、
助けをもとめられなかったけれど、ヒアリング相手の中には、「あぁ、この人は優しすぎるんだ」と感じることがあった。
優しすぎて、自分の大変さよりも、自分が助けを求めたときに相手が負うであろう負担を想像して、相手を優先してしまう。

ボーダレスアカデミーでは、自分の無力さや、不甲斐なさを感じると共に、
同期に助けられて、助けられることで、自分のプランがよりよいものになることを実感して、ちっぽけな自尊心を脱ぎ捨てる重要性を学んだ。

残念ながら、失った、まではいけなかったけれど、それに気づけたことは大きかった。

③お金

本当は、もっと色々と失ったものを書こうと思ったのだけど、
意外となかった!

あえて書くなら、あとはお金?
私の1か月分のお給料くらい(笑)
まぁ、その分、働けばいいかなと思っている。

2.得たもの

①仲間


ありきたりだと思うけど、本当に同期の存在が大きかったので、これはどうしても、書かざるを得ない!

何が貴重って、「社会課題をビジネスで解決しようぜ」とか考えちゃう、
私みたいなちょっと頭のねじが飛んだ人たちばかりが集まっているということ。

単純に、お金を儲けたいなら、もっと方法はある。
社会課題を解決するなら、ボランティアでもいい。
でも、社会課題をビジネスで解決できたら、社会も私もワクワクじゃない? と思ってしまった人たちばかりがいる!

そんな人たちに出会うのってすごく難しいことだと思う。
ボーダレスアカデミーでは、それができてしまう。

いい年した大人が泣いて笑ってはしゃげるって、最高に素敵だと思う。

それから私は、子育ての先輩に、とても励まされた。
息子に、語り続ければいいんだよって。
悩んでいること、葛藤していることも含めて、「あなたが大好きだよ」
「お母さんはこんなことがやりたいんだよ」って。
息子がどう思うかはわからないけど、
嫌がられるまではそうしようと思う。

本当に、事務局の皆さん含め、みんなめちゃくちゃあたたかかった。
頼るのが下手な私に、「ほら、おいで」と手を伸ばしてくれたから、
その手をつかむことができたし、なんとかスタートピッチまでたどり着けた。
心から感謝している。

②先行く先輩たちの言葉

メンターさんの存在も、大きかった。
私はチキンだったから、結局ほとんどお声がけはできなかったけれど、
メンターさんの存在、生き方、言葉、すべてが、私にとって大きかった。

ビビりな私は自分が「いいな」と思う事業や経営者の人が、
ヤフコメでディスられているコメントを見るだけで、すごくへこむ。
起業すれば、起業家として、よいように見てくれる人もいれば、
悪いように見る人もいるだろう。
それに、耐えられるか不安だった。

特に子育ての分野は、その人その人で、大切にしているものが違うから、
自分がしてきたことと違うことを提示されると、
自分が大切にしてきたものを否定されている気がして、
敏感に反応してしまう人もいるセンシティブな分野だ。

でも、メンターさんが
「サービスを提供するあなたが自分のサービスを不安に思ったら、
それを使うお母さんはもっと不安になる。だから堂々としていたらいい」
と言ってくれた。

自分がそういう場面になったときの対処法を、
自分の経験から赤裸々にお話してくれたメンターさんもいる。

お忙しいのに、「いつでも相談してね」と言ってくださった方もいた。
その言葉だけで、救われた気持ちだった。

同期の仲間を同じ船の乗組員に例えるなら、
そういう素敵なメンターさんたちの言葉や姿は、
私にとっての灯台の明かりだ。
これからの航海に必要な道標を与えてもらった気がする。

あとは、「良質な問い」この効果が絶大だった。
良質な問いをもらえたら、それだけで見えてくる景色が変わる。
助言以上に貴重だったように思う。

③ヒアリング

これも、一人だったら絶対にできなかった。
ヒアリングさせて欲しいってお願いするのも勇気がいる。
締切やノルマを課されて、やらざるを得なくて、ようやくできたけど、
本当にやってよかった!

意外だったのは、産後が辛くなかった人たちがいたこと!
私にとっては衝撃だった。

寝る時間もないくらい大変で、辛かった記憶以外、
ほぼ全部吹っ飛んでいるのに、案外、辛くなかった人たちがいた。

その違いはなんなんだろうと考えて、初めて見えてきたものがあった。
n=1じゃない産後に触れることで、課題の解像度が上がった。

まだ小さい子を育てながら、忙しい中、ヒアリングに応じてくださった皆さんに、心から感謝を申し上げたい。

3.得られなかったもの

これは、私の力不足によるところが大きいけれど、
本業として回るだけの収支を描けなかった。

to Gとして、自治体からお金をもらう方法はあるけれど、
元公務員で自治体の懐事情も、予算立ての難しさも、
手続きの面倒さも知っている身としては、できればそれ以外で
回す方法を考えたかった。

ここがまだ、クリアできていない。

当初の目的だった、社会課題を解決するものでありながら、
収支を成り立たせるという目的は残念ながら達成できなかった。

ただ、これは、本当に私の力不足のなすところで、
ボータレスアカデミーのせいではない。

実際、同期のABC分析はきちんと本業として黒字になるプランだった。

悔しいな。

4.まとめ

以上、実質失ったものは時間とお金だけれど、
それでも3か月間なら、なんとか耐えられるし、
給料1か月分なら、使ってもなんとか生活できると思うなら、
申し込んでいいと思う。

本気で解決したい課題があるなら、
自分がこうなって欲しいと願う社会があるなら、
飛び込んでみたらいい。

逆に、手っ取り早く儲けて、ギラギラしたい! という方は、
ボーダレスアカデミーは向いていない。

やらなくてもいい苦労を、
わざわざ時間とお金をかけてまでやりたいという変人が集まって
熱狂する場が、ボーダレスアカデミーだから。


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