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要注意?!コミュニティの4象限マトリクスを考える

こんにちは、コミュカル Mitzです。
4象限マトリクス ご存じですか?よく見かける図だと思いますが、対象・事象・状況・市場等を2つの軸で4つの象限に分けて表現・分析する手法です。

4象限マトリクス

以前、コミュニティを始めるときに考えるべきことの1つとして「コミュニティ種類を知る」が大事という話をしました。
そしてつい最近のできごとなのですが、「コミュニティ種類」について、「4象限マトリクスで表現するどうなりますか?」という質問をいただきました。
その質問者とコミュニティ種類の4象限マトリクスについて話を進める中で「あ、これちょっと勘違いがあって危険かも」と思うことがあったので、今回そちらについてお話しようと思います。

※補足|コミュカルでは常時20以上の企業からコミュニティ企画推進の仕事を受けており、趣味系からビジネス系まで様々なコミュニティの推進に関わっています。また、年間100回以上イベントを実施しています。今回お話するのはそんな知見をベースにした「コミュニティ|4象限マトリクスの注意点」です。

4象限マトリクスの基本

4象限マトリクスは以下3点が基本だと考えています。

  1. 軸の設定や表現が誰からみても明確(曖昧な表現ではない)で範囲も明確

  2. 軸の対極が「大きい|小さい」や「高い|低い」等、明確に反対の状態を表している

  3. 選んだ2つの軸が対象を分類するのに適切な内容

以下にわかりやすい例を3つ紹介します。

例1)タスクのマトリクス

軸1「重要度」:軸2「緊急度」

👆タスクを重要度と緊急度で分類することで、今すぐ取り組むべきタスク、後で取り組むべきタスク、重要ではないタスクなどを明確にすることができる。

例2)事業戦略のマトリクス

軸1「市場成長率」:軸2「市場占有率」

👆企業の事業を市場成長率と市場占有率の観点から分類することで、事業戦略を策定する際に役立てることができる。

例3)新規事業アイデアのマトリクス

軸1「アイデアの斬新さ」:軸2「実現可能性」

👆アイデアを斬新さと実現可能性の観点から分類することで、有望なアイデアを絞り込むことができる。

これらは、重要度が高いor低い、アイデアの斬新さが高いor低いといったように、軸毎に明確に状態・状況が分かれます。重要度が高いけど低い、の様な矛盾状態は起こりえないということですね。これが基本の1.2.に当たります。また、「タスク」であれば重要なポイントは「重要度と緊急度」「事業戦略」であれば大事なのは「市場成長率と市場占有率」のように、対象を分類するのに軸が適切であることも重要なポイントです。これが基本の3.に当たります。

コミュニティに当てはめたわかりやすいマトリクスの例を2つ紹介します。

例1)軸1「活性度」:軸2「イベント頻度」

例2)軸1「オンライン|オフライン」:軸2「昼開催|夜開催」

この2つはコミュニティイベントに関連したマトリクスですが、解説するまでもなくみなさんご理解いただけるかと思います。

マトリクスの種類

そもそもマトリクスには様々な種類があります。ここでは4象限マトリクスの他に代表的(だと思う)2つを簡単に紹介します。
※マトリクスの専門家ではないため、あくまで一例として参考にしてください。

マッピングマトリクス

2つの軸で4つに区切られたエリアに、その軸毎に要素を「強い」「弱い」や「広い」「狭い」等、当てはまる箇所に自由配置するマトリックス。情報や要素を視覚的に整理するための広義のマトリクスで、4象限マトリクスもマッピングマトリクスに含める場合もある。

L型マトリクス

行と列で表現された表形式のマトリックス。おそらく最もよく見かけるのがこちら。シンプルで分析しやすい2つの行と2つの列で表現される場合も多いが、多くの行と列で構成されることもある。

間違っている4象限マトリックス

今回お話したかった本題はこちらです。
先述の4象限マトリックスの基本に当てはまらないパターン|間違ったパターンを「コミュニティ」観点の4象限マトリックスで紹介します。

【注意】ここに挙げるのはあくまで「わかりやすい間違った例」「間違った軸設定の例」です。実際にこのマトリクスを見かけたわけではありません。(これに近い軸を見かけてことはありますが…)

間違った例1

軸1:「楽しさ|学び」:軸2「革新|幸福」

「楽しさと学び」も「革新と幸福」も対局にあるわけではなく、共存しているパターンも多いので、曖昧or矛盾となってしまい、誤った象限を選択してしまうという結果になってしまう場合がある。

間違った例2

軸1:「イノベーションの起こった数」:軸2「イノベーションの質」

イノベーションの数と質の関連性が高いとは限らない。イノベーションの起こった数が多いからといって質が高いとは限らず、逆もまたしかり。

間違った例3

軸1「参加費無料|参加費10万円」:軸2「懇親会はフランス料理|懇親会はピザ」

対象の業界にもよりますが参加費10万円はおそらく高額過ぎて当てはまる対象が少なくほとんどが無料側に寄るため範囲に偏りがある。当てはめる対象がどれかの象限に偏り過ぎないような軸設定が理想的。また、懇親会は(昔からよくあるのが)ピザ派かお寿司派かというのが多いかと思います。フランス料理というパターンはなかなか存在しないはず。これも前者と同様で、実際に当てはまるものを軸として設定するのが基本です。
もし界隈・業界に実際に当てはまらない(少数|マイノリティ)な軸を設定してしまうと、「この界隈ではこれが普通なんだ・・・」という誤解も生んでしまう場合もあるので要注意です。

いかがでしたしょうか。
冒頭に述べましたが、今回、この様な間違った例(に近い)軸を見かけてしまったので簡単に4象限マトリクスについて紹介してみました。
コミュニティ界隈に限らず、マトリクス図で表現、分析、解説を行う際には、設定する軸について
・軸の対象が矛盾していないか
・一般的な項目か
・軸のどちらか(範囲)に偏りはないか

を意識しましょう。

また、コミュニティ関連で4象限マトリクスを見かけた際には、それをそのまま鵜呑みにせず、ご自身の対象としているコミュニティパターンにその軸が適切かどうかをしっかり検討したうえで分析していきましょう。

最後に

コミュカルはテクノロジー×コミュニティ×メディアのプロフェッショナル企業として活動しています。わたくし Mitz 自身もコミュニティのプロフェッショナルとして様々なコミュニティ運営者からの相談に1on1で答えています。お悩みや相談のある方、ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

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