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”仕事は楽しいものですか?”

先日、県内のとある学校のキャリア支援の授業に携わりました。
その授業ではその学校の卒業生が今、社会人としてどんな働き方をしているのかを聞こうというテーマで、現役学生から先輩社会人に向けて仕事のことだけでなくプライベートのことまで率直に質問ができるというカジュアルな交流会でした。
参加した学生の多くが「楽しかった」という感想を述べてくれたことは企画から携わっていた私にとってとても嬉しいことでした。
更に参加した社会人の方も「自分の働くことに対する気持ち」を語ることで仕事に対する気持ちを自身が再認識できたとおっしゃっていたのも、正直に言うと狙い通りではあるのですが、とても嬉しくなりました。

今回のテーマは「仕事は楽しいものですか?」とある学生からの質問。
自分だとしたら、どんな回答をするだろうかと考えました。
仕事へのポジティブなイメージを自分はどれだけ持っているのだろう。
今回はそんなお話ししていこうと思います。


仕事のネガティブイメージ

とにかく多くの社会人にとって「仕事」はネガティブなイメージの人が多い気がします。
かくいう私も、仕事といえばまず思い浮かぶのは、大変なことや煩わしいことかもしれません。
「仕事は課題解決の繰り返しだ」と誰が言ったか覚えていないけれど、そんんな言葉に「本当にそうだ」と頷いてしまうほど、日々いろいろな課題をクリアして日々の仕事が進んでいる感覚があります。

そうすると”働かないで生きていけるならそんな楽なことはないだろう”なんて思ってしまうのも仕方がない。
就職相談では、別に働きたいわけじゃないという前提で仕事探しをしている人は多いです。そう思うとどんな場面でも仕事はネガティブなものというイメージが根底にある気がします。

そもそも”人がやりたがらないことをやることで対価としてお金をもらう”ということを仕事だと捉える人も多い気がします。
お金を稼ぐための仕事であるというのは確かにそうだけれど、無意識に仕事をマイナスなイメージにしている部分もあります。
”家族のために働く”というのも、自己犠牲的なニュアンスを含んでいるような気がしませんか。
ただ多くの人はこれまで働く理由として”家族のため”というのを働くモチベーションにしてきたように思います。

なぜ過去形かというと、昭和や平成までの仕事の捉え方と今の令和では大きく変化してきているから。
仕事という大変な経験が未来の自分の糧になるという考え方があります。
仕事は辛いのが当たり前だとする厳しい意見の人は、それによって得られる大きな価値を分かっている経験則からこその発言でしょう。
その価値は経験なくしてなかなか理解できるものではないので、伝わりづらい。
しかも表面的なネガティブイメージだけで敬遠されることに、仕事の辛い経験から得られる価値を分かっている人ほど憤慨するかもしれません。

仕事のポジティブイメージ

仕事のポジティブな捉え方をイメージしてみましょう。
仕事を楽しんでいる人というのも身近にたくさんいます。

楽しいという言葉だと少し言葉が足らないかもしれません。
仕事に熱中する気持ちや、無意識に全力を尽くしてしまうその気持ちを一言で”仕事の楽しさ”と言い表しているのです。

とはいえ、それが伝わる機会はあまりないように思います。
仕事で得られる喜び、満足感、達成感などは自分の中に大事に保管されてはいるものの外に出すようなものではないし、経験を持って初めてわかる仕事の楽しさなんだと思います。

仕事の捉え方

私の体感でしかありませんが、今のこの社会では仕事はネガティブなイメージが先行していて、仕事のポジティブなイメージは伝わりづらい気がします。
就活する学生の中で意欲的に就活をする学生を”意識高い系”と呼んで線引きするとき、仕事に対する意識がネガティブな人ほど否定的な意味合いを持たせてしまう気がします。
自分は意識高い系にはなれないと思う時、その理由は何だと思いますか。

仕事と時代背景

様々な社会変化に人々の心も変化してきているのが今という時代で「仕事」に対する考え方も変化してきています。
かつては頑張った分だけ昇給や昇格も目に見える形で実現できたし、一度就職してその会社で定年までという人が多く、未来のイメージも掴みやすかったかもしれません。
頑張ればあの先輩みたいになれるんだという憧れの先輩もいたかもしれません。

ただ今の時代は残念ながら未来の見通しも悪く人生で3度の転職は当たり前の時代とも言われています。そして頑張った分の対価が得られる保証もないのが現実です。
転職で入社する人も少なくないので、上司と部下の年齢が逆転していることも普通にあるのが今の働く世界です。

そうすると「仕事は辛くて当たり前。いつかの自分のための糧だ」と言われても、「そのいつかの保証なんてありますか」と考えてしまうのは仕方ないように思います。
時代の変化が人の心を惑わせてしまいます。
未来なんて分からないので何が正しいのかなんて誰も答えなど持っていません。

仕事は楽しいものですか?

「仕事」に対する意識は年代ごとに大きく違うものといいましたが、仕事をの楽しさは誰しも働いている中で体感しています。
ただ時代によってそれをアウトプットすることを良しとしない風潮だったりで、自分の中でこれは自己成長の糧だと捉えて大事にしたり、楽しいと思うことが大事なんだという風潮になれば自己表現をする人が増えてきたりということではないでしょうか。
働く人はみんな持っている気持ちで見えるか見えないかなんだと思います。

就活を始める今の10代~20代の方は、色んな世代の方の仕事に対する気持ちをできるだけ知って欲しいと思っています。
今は対面であったり、オンラインであったり様々なユニークな就活イベントがあるので、そういう機会を大事にして欲しいと思います。
1人ひとりのこれまでの軌跡から生まれる「仕事観」は、唯一無二の語りです。

自分にとって「仕事」とはどんなものになっていくのかは紡いでいく中で形成されるものでもあります。
まずこれから社会人になる人は、イメージだけでネガティブな偏見を持たずに、ポジティブな面と両方を持って自分なりの答えを探求してもらえたらと思います。



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