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生きやすい世界

2023年3月の「活躍人材コラム」です。
キャリアコンサルタントのcomtakiです。

今年の冬はなんだか例年より寒く感じました。
テレビなどでは今年の花粉は過去10年で最大級の飛散だとか、ニュースが不安を煽ってきますが、私個人としてはあまりピンと来ていません。
皆さんはいかがですか。

世界には不安なことが沢山あります。
そんなことは誰もがわかっているけれど、それは別として目の前の自分の生活があります。
でも本当は”それは別として”なんかじゃないことも充分わかっています。
それはあらゆるところから、あらゆるツールで情報が自分の元に届くから。

今、あなたにとって、この世界は”生きやすい世界”ですか。
今回はそんなテーマで考えていきたいと思います。

自分にとってのこの世界

人に質問する前に私自身を考えてみました。
「生きやすいといえば生きやすいけれど、生きにくいといったら生きにくい世界」
結局答えになっていないような答えが出てきてしまいました。
多分、皆さんもそんな答えになる人が多いのではないでしょうか。

”生きやすい”という部分を言い換えると「自分のやりたいことが叶いやすい世界」かどうかということ。
”あなたが実現したいことを実現できる世界に生きているか?”という問いです。

そんな問いに対する私の答えは
「自分のやりたいことを半分は叶えられているけれど、半分は叶えられていない」
そんな世界の中で生きているということになります。

生きやすい世界とは

生きやすい世界としてまず考えてみると
この社会は、個人が自分の表現したいことを簡単に世界に発信ができるので、様々な情報収集や情報発信が簡単にできます。
自分のやりたいことがもしあったとして、その情報収集も協力してくれる人を探すこともまずネットを使うことが思い浮かぶでしょう。
そういう意味では、今は色んなことを実現するためのツールが充実していて、生活するための便利なツールも豊富にあるので「生きやすさ」に繋がっているといえます。
就職活動の側面ではオンライン化も一気に進んだので、気軽に企業説明会を受ける機会は増えています。
そういう意味では「生きやすい世界」が実現されているように思います。

生きにくい世界

今度は生きにくい世界を考えてみます。
ここ数年の間、生活に沢山の制限をかけられていたので、生きにくさをみんなが感じていました。
それだけでなく世界は不穏な空気で気軽に海外旅行に行ける気がしません。
「こんな状況下で”生きやすい”なんて思う人がいるわけがない」と考える人もいるかもしれません。

今の就活生はガクチカで何を語ればいいのか?とみんなが思っています。
けれど就活生だけがそう思っているわけではなく、採用側の立場であってもそれは充分わかっていることです。
それでも敢えて「学生時代に打ち込んだことは?」と面接で聞く企業もあるでしょう。
生きにくいと思っているのは自分だけではないということを理解できているかが大事なことではないかと思います。

注意すべきこの世界

そう考えるとみんな同じように「生きやすさ」も「生きにくさ」も感じていて、それは共通認識に近いものです。

でも自分の視点で周りを見た時には、みんなが同じだとは思えないと感じませんか。
自分よりあの人の方がずっと楽しそうにみえたり、人生が順調そうに見えたり。
SNSでは充実したキラキラした日々を公開している人がそれこそたくさん目に飛び込んできます。
それに比べて自分の毎日はどうだろうとため息が出てしまうかもしれません。

今の情報過多なこの環境の中では、例えば自分の中で「生きにくい世界」だとこの世界を決定づけると、生きにくい理由や根拠のような情報が自分の元にいくらでも集まってきます。
そうするとこの世界は「生きにくい世界でしかない」ようと更に強く思うようになっていきます。その途端に自分の目に飛び込んでくる情報はすべてそうであるかのように見えてくるから不思議です。
自分の好きな有名人さえも自分と同じように考えていると思えたり、自分が”生きにくいと思うこと”を賛同してくれる意見ばかりが目に入ってきて、安心感すら覚えるかもしれません。

本来の自分は「生きにくい世界」なんか求めていないはずなのに、いつの間にかあなた自身がその「生きにくい世界」にハマっていくのです。
一番怖いのはその沼に自分を沈めて抜け出せなくしてしまうということ。

特に目にするSNSや動画は”あなたのニーズに合わせた”情報が集まる仕組みになっています。
世界と繋がるネットであっても、結果的に自分の価値観に引き寄せられた情報が自分の元に届いています。
それによってあなたの思い込みのフィルターがどんどん強化されていきます。

現実の世界

この世界は「生きにくい」ことも「生きやすい」ことも事実なのだとしたら、考えても仕方ないことなのでしょうか。
ネットの情報も偏った情報しか集まってこないとしたら何を信じればいいのでしょうか。

「あなたにとってこの世界は生きやすい世界か?」
という最初の投げかけに立ち返ってみましょう。
この質問の大事なところは「あなたにとって」という部分です。

あくまで「あなたにとって」と言っているのに、人はまず自分の環境だったり、外側の状況に意識が向きます。
私自身もすぐ仕事環境を頭に浮かべて答えを探して答えを出しました。
この社会で生きているのは紛れもない事実なので、自分のおかれた環境から判断しようとするからです。
でも現実は安定していなくて、何を根拠に何を基準に判断していいのかもわからず、不安な状況に思えるというのが今の現実の世界です。

冷静に現実世界を判断することはとても難しいことではないかと思います。
それこそ沢山の調査データや専門機関の見解を収集して分析していくことでより現実の世界の状態の客観データを知ることもできるでしょう。

とはいえ哲学的になってしまうけれど、結局のところ自分から見える世界だけが自分にとっての現実です。

あなたの世界

誰が見ても裕福で幸せそうな環境にいるようにみえる人であっても、本人にしか心地よい環境かどうかは分かりません。
あなたの世界も同じようにあなたにしか判断できないもの。
ということは、あなただけが「あなたにとって生きやすい世界」にすることができるということではないかと思うのです。
人と比べても意味がないこともわかります。

夢や目標を無理やり探す必要はありません。
自分の世界を自分が生きやすい世界にしていくことはワガママになることでもありません。
自分が居心地よい世界は、必ず自分の周りの人も心地よくなければ成立しないからです。
あなたにしか見えないあなたの世界を居心地よくする方法は、
自分を起点に自分ができることを精一杯考えて行動するほかありません。

本当の世界

現実の世界は、未来にどんなことが自分に起こるのかわかりません。
それは世界規模の事象だけでなく、個人レベルのことであっても。

自分自身に起こるアクシデントだけでなく、自分の気づかないところで誰かに迷惑をかけてしまうようなこともあるかもしれません。
周りを無視して進もうとしても、結果的に自分自身が追いつめられてしまうこともあるでしょう。

それを防ぐには多くの人との関わりの中で情報を得て、自分も周りの人も生きやすい世界にしていく方法を手探りで探していくしかないとも思います。
情報過多のこの世界は、それだけ情報には価値があることをみんながわかっているからとも言えます。
生きやすくするには多くの人と情報共有していくことでより良い選択ができると。
自分自身に偏見があることも自分に集まる情報も偏ることも自覚をしていれば、様々な情報に新たな可能性を見つけることができるのです。

人の価値観は驚くほど自分とそれ以外の人では違います。
だからもし、今あなたが「生きにくい世界」の中にいるとしたら、自分にない考えや価値観から突破口が見つかるはずです。

夢や目標は見つける事はすぐにできることではありません。
だったら夢を見つけるより、今自分が生きやすい世界にするためにできることにきちんと向き合うことを大事にしてほしいと思います。
その道の途中で気づけば夢や目標が生まれているはずだから。



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