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No.5 コンフォートゾーンとホメオスタシス

前回の記事で、

「一般的なコーチングはゴールを明確にして"固定"します。苫米地式のコーチングの場合は、むしろ逆にゴールを揺らがして"変動"させます。いつの間にかより大きなゴールへと更新されるのです。」

という話をしました。

この記事では、「なぜゴールを変動させる必要があるのか?」について記述していきます。


その前に"コンフォートゾーン""ホメオスタシス"という概念について説明いたします。


<"コンフォートゾーン"と"ホメオスタシス"について>

コンフォートゾーンとはcomfortableなzone(快適な帯域(≒空間))のことです。


そして人間という生体は、快適な空間に居続けようと止まったり、快適な空間を求めて向かって行ったりします。この時、生体は快適な空間になんらかの力で引き寄せられていると考えることができ、我々コーチはその力のことを"ホメオスタシス"と呼んでいます。

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ホメオスタシスはもともと"恒常性(恒常性維持機能)"と訳されている医学用語です。恒常性とは生体が神経やホルモンによって、体温や血液などの性状を一定に保とうとする機能の総称です。


その恒常性は、生体といった物理空間にのみ作用しているわけではありません。心理や精神といった脳内で作られた情報空間でも作用していて、特に情報空間上で作用している恒常性のことを、サイバーホメオスタシスと言います。(実際に会話などで用いる時は、特に物理空間と情報空間を分けて考えたりせず、単にホメオスタシスと表現することが多いです。)


<なぜゴールを変動させる必要があるのか?>

苫米地式コーチングでは、「ゴールはコンフォートゾーンの外側にあること」を前提にコーチングを行います。コンフォートゾーンの内側にあるゴールに関してはゴールとは言いません。私たちはコンフォートゾーンにあるゴールのことを"現状維持"と呼んでいます。


人(人に限らず全生命)は何もしなくても現状維持を続けようとします。生命はそういうシステムを持ち合わせているのです。現状維持を続けるだけならコーチングは不要です。現状維持から抜け出す必要がある時、つまり、コンフォートゾーンの外側にゴールを設定する必要がある時にコーチングが必要になります。


私たちは「こうなりたい」とか「こんなことを成し遂げたい」といったゴールを日々生み出しています。しかし、それら全てのゴールは"その時点におけるコンフォートゾーン"によって定められます。そしてそのゴールは必ずコンフォートゾーンの内側に収まります。


しかし、コンフォートゾーンは日々変動します。非日常を体験するとコンフォートゾーンが大きくズレ、新しいゴールが設定されます。このゴールは日常のコンフォートゾーンの外側にあるのですが、非日常から日常に戻ると、同時に日常のコンフォートゾーンに戻るため、新しく作られたゴールはゴールではなくなってしまいます。
(↑言い回しがわかりにくくてすみません。わかりにくいですが重要なところなので流し読まずしっかり理解してください。)


この現象のことを我々は"やる気がなくなった"とか"モチベーションが下がった"などと言っているのです。


コンフォートゾーンとゴールの関係は表裏一体です。コンフォートゾーンがズレればゴールはそのズレに合わせて変動します。そして、逆にゴールが変動したという時は、コンフォートゾーンがズレたということを意味しています。


このコンフォートゾーンとゴールの関係性を利用してコーチングは行われています。


一般的なコーチングセッションの場合は次のようなアプローチを取ります。

クライアントの現在のゴール(コンフォートゾーン)を再確認させ、そのコンフォートゾーンにホメオスタシスが働く状態へと導く

この場合、クライアントが現状の外側にゴールを設定できているのであれば"やる気の向上"や"モチベーションUP"に繋がります。しかし、クライアントが現状の内側にゴールを設定していた場合であれば、「コーチングを受けても何も変わらなかった」と言われかねません。現状維持を強めても何も変わらないのは当然です。

また、クライアントの多くは、口ではコンフォートゾーンの外側にあるゴールを語っていても、本心や無意識下では現状維持を望んでいる場合があります。その場合も現状維持が続くだけで特に大きな変化は望めません。


苫米地式コーチングのセッションでは、クライアントが現状維持のゴールを持っている場合に、次のようなアプローチを取ることがあります。

コーチングセッションを通してクライアントのコンフォートゾーンをズラし、新しくゴールを生み出すというアプローチ

本当にクライアントのコンフォートゾーンをズラすことが可能なのか?と感じるかもしれませんが、ブリーフシステム(内部表現)の書き換え技術があれば可能になります。(ブリーフシステムについては前回の記事をご覧ください。)


また、セルフコーチングでは次のようなアプローチを取ります。

コンフォートゾーンをズラして、日常のコンフォートゾーンの外側に新しいゴール設定し、アファメーションなどの技術を駆使して、ズレたコンフォートゾーンを保持するというアプローチ

この場合は、コンフォートゾーンをズラす作業(ゴールをコンフォートゾーンの外側に設定する作業)と、ズラしたコンフォートゾーンを維持する作業(ゴールに向かうモチベーションを保つ作業)を全て自分自身で実行することになります。


セルフコーチングをマスターしている人であれば、わざわざコーチングを受ける必要はありません。(セルフコーチングをマスターしていたとしてもセルフコーチングの一環としてコーチを利用するというのは、選択肢の一つとしてアリだと思います。)


全ての人が自分で怪我や病を治せるのなら医者は必要ありません。同じように、全ての人がセルフコーチングで、自在に上手にマインドを使いこなすことができるのならコーチも必要ありません。


理想は全ての人がセルフコーチングを独学でマスターすることですが、効率よく上手なマインドの使い方を身につけたければ是非コーチに頼ってください。


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