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「他者」や「社会」への思い込みに気づくこと【CompathレターVol.3】

皆さん、こんにちは。Compathレター担当のがみです。
CompathレターVol.3をお届けします。

今回お届けするニュースは、
2022年に小説『おいしいごはんが食べられますように』で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんのインタビュー記事です。他者に攻撃的で冷たいイメージが目につく現代社会ですが、そんな中で高瀬さんが見つけた「他者」への希望について、彼女が同賞を受賞した後の出来事を踏まえて語っている記事でした。

他者、もっというと社会に対してどんな希望があるのでしょうか。
是非、読んで、一緒に考えてみてください。

ニュース紹介 ~「他者」や「社会」への思い込みに気づくこと~

同記事は、高瀬さんが芥川賞受賞後に経験した、職場での出来事から始まります。
職場には作家活動をしていることを黙っていた高瀬さんは、ペンネームで活動していたこともあって「どうせばれないでしょ」と思っていたら、普通にばれてしまった、と言います。(自分の職場の人が、実は芥川賞作家だった!ってなんかすごいですよね笑)

2023年10月、高瀬さんは『うるさいこの音の全部』という作品を発表されているのですが、そこでの主人公はゲームセンターで働きながら小説を書いている兼業作家。テレビ番組出演をきっかけにそのことが職場にばれてしまい、それがきっかけで様々な「いやだな」と思うことが起きてしまう、という話が描かれており、奇しくも高瀬さんはその主人公と似たような状況になってしまったのでした。

その主人公のように、「嫌だな」ということが起こるのかと思っていた高瀬さん。しかし、実際起こったことは温かな対応ばかりだったそう。どうしても小説の関係で平日に休みを取る必要がある時でも、仕事を代わってくれた後輩が「全然気にしないでください、本当に応援してますから」と言ってくれたりと、周りの人たちは自分が思っていたよりもはるかに優しんだと気づかされたといいます。

その経験から、自身が他者への想像力が不足していたと気づき、すぐに悪者みたいに考えてしまっていたこと、自分自身が「表面ではニコニコしながら、心の中でもは嫌なことを考えている」というタイプなため、鏡のように相手もそう見えていたことなどを反省。確かにひどいことをする人は1人2人いるかもですが、そんなこと無視できるくらい、周りには根っこの温かい人たちがこんなにもいるんだということに希望を感じた、というお話でした。

出典:Forbes JAPAN「芥川賞受賞から約1年。高瀬隼子が見つけた「他者」への希望」

※元記事には、今回の経験を受けて高瀬さんが今後どうしていこうと考えているか、についても書かれています。気になる方は是非ご一読ください。

このニュースを読んで考えてみたい「問い」

いかがでしたでしょうか。
是非このニュースを読んで、皆さんがどう感じたのか、少し時間を取って掘り下げてください。
以下に、その考えのサポートになればと思い、私が思う掘り下げたい”問い”の候補を挙げてみたいと思います。

Q1.自分が考えることを回りも考えているはず、と思い込んでしまっていることはないか
Q2.他者だけでなく、社会に対しても何か思い込んでしまっていることはないか
Q3.自分の周りの人や社会のことを、自分はどれくらい理解しているだろうか
Q4.自分の思い込みを外して見たとき、どのくらい景色が違って見えるだろうか

続いて、私自身がこのニュースを読んで考えた事をシェアしたいと思います。

自分はこのニュースを読んだとき、「うわあ、、、めっちゃ分かるなあ・・・」と思いました。
というのも、まさに僕自身が周りの人のことを「腹で何か考えながら表向きはいい顔をしている」と考えがちだし、自分がそうふるまうことが多いなと思うからです。

よくよく考えれば、周りの人がどんなことを考えていて、自分のことをどういう風に思っているかとかって、なかなか分かることじゃないですよね。

旧知の親友や家族とかですらたまに分からない時があるのに、それと比べて圧倒的に関係性ができていない人に対して、「きっと○○と思っているに違いない」と思って接してしまうことって、冷静に考えると不毛なことだなと思います。
しかも、どちらかというとネガティブな思い込みの方が多いというか。。。(自分だけでしょうか?) 本当に不毛ですよね。

思うのですが、現代社会を生きる私たちって、
普段から論理的に物事を考えて働いたり過ごしたりしていますよね。
分からないことを分からないままにするのがとても苦手。
なので、分からないことにも「きっとこうじゃないか?」と仮説を作る機能がは強く発達しているんじゃないかと思います。
本来分からないはずの相手の考えを、自分の考えをもとに「きっとこうなんじゃないか?」と考えてしまうことって、現代社会人の習性としてありそうですよね。

また、一見論理的に思えることが続くと、それが絶対的な真実なんだと錯覚してしまう傾向も持っていると思います。
例えば、「この人は攻撃的な人じゃないか?」と仮説を立てていた人がいたとして、その人がたまたまイライラしていて、ちょっと人に強く当たっちゃったシーンを見たとしたら、どう思うでしょう。

「ほら!やっぱりこの人は攻撃的な人だ!自分の考えは間違ってなかった!」
と思い、自分の考えをより強固にする人が多いんじゃないでしょうか。
たったワンシーンを見ただけなのにその人の性格をほぼ断定してしまうようなことって、やってしまいがちだよな、と自分も思います。

存在しない可能性が高い悪人を作り上げて、それに対して怯えたり、反抗的になったりして、そうやってどんどん不幸せな気持ちになってしまう。そんな不毛な負のスパイラルを生み出さないためにも、

  • 他者の評価を勝手に決めつけずに、フラットに見ること

  • 対話的な姿勢を持って、相手の個性やいいところをたくさん見つけようとすること

これを忘れずに胸に止めて、周りの人たちと関わっていきたいなと、思わせてくれる記事でした。

おわりに

いかがだったでしょうか?
是非ニュースを読んで、考えてみて、それぞれの考えや感想がありましたら、シェアしてくれると嬉しいです。

一つのニュースでも捉え方はきっと様々。「こんな角度から考える人もいるんだ!」「自分と全然違う考えだけど、面白いな!」そう思うことが増えれば増えるほど、有意義な時間になっていくんじゃないかと思っています。


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この「Compathレター」は、北海道東川町で、北欧発祥のフォルケホイスコーレをモデルにした大人の学び舎を運営しているSchool for life compathがお届けしています。
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それでは、また。

サムネイル写真:畠田 大詩さん

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