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【メンバー紹介】はじめまして、中村 優佑です。

こんにちは。
このnoteではCompathメンバー中村優佑(ゆっけ)のこれまでの物語をいくつかの問いに沿って、ご紹介します。

これまでどんなことをしてきましたか?Compathにたどりつくまでの経緯を教えてください。

長野県松本で生まれ育ち、農家の祖父母の畑や山で遊び、田んぼの広がる町で自転車を乗り回して育ちました。ピアノ、空手道、金管楽、バレーボール、山岳部、地学会(*天体観測やプラネタリウム上映をする)など色んな課外活動に熱中しつつ、宿題は夏休み明け初日の朝まで後回しにしてギリギリ仕上げるような学校生活を送っていました。

高校3年の夏から1年間アメリカミネソタ州に交換留学。生きていたら自分と同い年になるはずだった兄を日本への短期留学中に亡くした5歳年下のホストブラザーのいるファミリーに本当の家族のように迎え入れてもらい、濃い時間を過ごしました。家族観や人生観がぐぐっと広がる経験でした。

自由な学風と街に惹かれ入った京都大学では、ミーハーに選んだ茶道部と神経科学の研究室で苦労しつつ、再び交換留学で行ったシドニーでは世界レベルの大学院生の熱量に叶わないことを痛感して挫折。
ビジネスに進むことを決めマッキンゼーというコンサル企業へ。その後、気になっていたけど関わったことが無かった教育に関わっていくことを決め、野外教育やコーチングを実践してきました。

今は人の変化や成長を後押しする学びの場づくりに惹かれ、リクルートのスタディサプリという事業で社会人向け英語学習アプリのプロダクトマネジメントの仕事をしながら、Compathに関わっています。

留学先のホストブラザーと、旅行先のボストンでメジャーリーグ観戦。当時高校3年生

Compathの素敵なところはどこですか?


たくさんあるけど、ありのままの人と、その人の声に大切にしているところ。

今の日本の「社会人になる」という言葉には、色んな「そういうものでしょ」という重石がついてくる気がします。
「経済的に成長しないと。そのために社会人としても成長し続けないと。愚痴を言ったり嘆く暇があったら解決策を探したら?価値を出して生産性を上げないと。人に頼らず自立して生きられるようにならないと…」

それらが、経済成長が止まり、かつてあった「我慢して続ければ勝手に良くなっていく」感覚が薄れた社会で生きる僕たちには、しんどさとしてのしかかっている。

Compathでは、成長よりもその人がその人らしくあることを、生産性よりも嘆いたり立ち止まったりする余白を、そして自立だけでなく頼り合える関係性を大事にしています
また、それをプログラム内容から経営の在り方にまで沁み渡らせられるように願い、心を砕き続けている。それが好きなところです。

建築士の仲間とのスツール作りワークの合間に談笑。こういう時間は大切(撮影:清水エリ

何をしている時に幸せを感じますか?


良い問いですね。最近よく考えていることです。思い浮かぶシーンのイメージがいくつかあります。

例えば、自転車を直して磨いているとき。自分の足となって行ける世界を広げてくれる相棒を、自分の手で直したり綺麗にしてあげられることが幸せです。

植物の様子を見ながら、土を育んだり草を抜いたり、脇芽を摘んだりしているとき。次々新たに芽を出してぐんぐん育っていく命からエネルギーをもらえるし、自分のケアが彼らを元気にして、より多くの虫や生き物が生き生きと育まれる場所を作っている時は幸せです。
コースに来てくれる人や共同体も、同じように長い時間軸でよりよく生きられますようにと願いながら関わっていて、そういう時間と関わりも幸せ。

みんなが使いやすいように場や物を整えているとき。大学の茶道部で、お茶会前に丸3日かけて茶室や庭を掃除する中で育まれた美的感覚です。意識が隅々まで行き届いた空間や場はそれだけで気持ち良い。たとえばどこに何があるか一目で分かる磨き上げられたキッチンでは楽しく気持ちよく料理できるように、環境が整っていることは、そこで過ごす時間や創造されるものの質をググッと引き上げてくれる。そんな想像をしながら場整えている時は幸せです。

新校舎のガーデンで段ボールマルチを使ったガーデンづくり(撮影:清水エリ

密かな野望は何ですか?

没入できる仕事で暮らす尖った実践者になることです。

僕が一番没入していられたのは、小さい頃、祖父母の家の土間に炭で自分の世界を描いていた時や、レゴブロックで家やお城を作っていた時。また、冒険教育のインストラクターとして経営と現場を行き来していた時。

今は、その感覚の延長で複雑なものづくり=生態系づくりを仕事にする暮らしにシフトしようとしています。
たとえば、校舎の森と、畑と、建物やキッチンを、レゴのように少しずつピースを増やし、懐が深く気持ちの良い場所に整えていくこと。
卒業した人たちが家族のように一緒に暮らしながら町に根付いていくために、借りられる家があり、コミュニティとして祝いや嘆きをともにし、森や畑の恵みを食べ、町で稼ぐことを自然な形で結びつけること。

まだ何かわからないけれど、Compathや町での暮らしがあるからこそ作れる何かを、職人的な仕事が好きな自分のライフワークとし、世界中の尖った人たちと繋がりながら実践していく。そんなことができたらいいな、と思っています。

大きなコミュニティキッチンでみんなで料理(撮影: 東 信史)

最後にCompathに関心がある方にメッセージをお願いします。


僕は、Compathに来てくれる一人一人のそれぞれの持つ豊かさと物語を愛しています。

これまでCompathで迎えてきた160人の仲間たち、それぞれが何かのきっかけと想いを持ってCompathに来てくれて、東川町に来るまでの経験にも、一緒に過ごすコースの時間で感じることにも、全ての背景にその人の物語がある。コースの中では、そんな一人一人の物語を少しずつ、時にはぐぐっと深く、聴き合いながら時間を過ごします。

それはそのまま、あなたの豊かさであり、共同体にとっての豊かさになる。

お互いの豊かな物語を重ねる中で、交わされた言葉たちがそれぞれ影響し合い、問われて答えた言葉が確かさを増して、新たな物語のページとしてそれぞれの本に刻まれていく感じは、どんな本を読むよりダイナミックで繊細出し、その瞬間に誰がどんな状態で居合わせたかによっても変わっていく。
それが本当に面白くて、大好きです。綺麗でなくてもいい、整っていなくてもいい。ありのままのあなたの物語を持って来てくれるあなたと出会えることを、楽しみにしています。

夏のコース、涼しい部屋で感じたことをシェアする好きな時間(撮影: 清水エリ

(編集: 山下大征)

経歴プロフィール

中村優佑(Yusuke Nakamura)
長野県松本出身、京都大学総合人間学部卒。学生時代の学生団体立ち上げから教育に携わり、外資コンサルに勤めながら、野外教育インストラクターやコーチング、自分の"being"を見つめる合宿型プログラムに携わる。現在はリクルートで社会人向け英語学習アプリのプロダクトマネジメントを担当。ライフワークとしてCompathでの大人向けの学校づくりを実践中。最近の興味は「複雑性の高いものづくり」。


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