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ことのはいけばな

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花を活けるように、言葉を三十一文字の器にのせて活ける。地軸の傾いた地球に乗って、太陽の周りを一巡り。花を立て言葉を立てて、遊行します。
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#flower

ことのはいけばな 立冬 第57候『金盞香』

ことのはいけばな 立冬 第57候『金盞香』

 「金盞」とはなるほどと思う。昔、中国では、スイセンの花の真ん中にある黄色い部分を黄金の杯(金盞)に、白い花弁を銀台にたとえて、「金盞銀台と呼んでいたそうだ。水仙の副花冠(コロナ)が「金盞」にあたる。

    水仙の金色の盃なみなみと秘める香りのたぷんと揺れて

ことのはいけばな 小雪 第58候『虹蔵不見』

ことのはいけばな 小雪 第58候『虹蔵不見』

 目には見えないが、不意に、たまたま訪れる声なるもの(=音連れ)がある。こうした「ファーストコンタクト」と呼べる現象は名のある宗教家やシャーマンたちばかりではなく、誰にでも確かにあって、不思議な人とか、変わってるとか言われるのであまり表に出さないけど、そういう声に素直になっている方がうまくことが運んだり、心持ちが楽だったりする。そうしたことは竹倉さんのいう通り全く不思議なことでは実はない。声は遍く

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ことのはいけばな 小雪 第60候『橘始黄』

ことのはいけばな 小雪 第60候『橘始黄』

冬の午後 光を搾った 橘も 
  庭より眺む 竜胆の暮れ

色抜けて 茎枝あかく 冬の花
  低い黄道 子守唄聴き

ことのはいけばな 大雪 第61候『閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)』

ことのはいけばな 大雪 第61候『閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)』

『礼記』の月令には「天気上騰シ、地気下降、天地不通、閉塞シテ冬ヲ成ス」と記され、天の気は空に上がり、地の気は地中に閉蔵され、天と地が分かれ、通じ合わなくなって冬になるという意味です。春から秋まで行われていた天地の交流が終わり、お休み期間に入るような感じです。
花の稽古は神社の杜の剪定枝も使っての冬至飾りを作った。

  そらをみつ 山の麓の虚空蔵 ガランガランと 眼玉の揺れる

  ひっそりと 虚

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