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ことのはいけばな 立冬 第57候『金盞香』

 「金盞きんせん」とはなるほどと思う。昔、中国では、スイセンの花の真ん中にある黄色い部分を黄金の杯(金盞)に、白い花弁を銀台にたとえて、「金盞銀台きんせんぎんだいと呼んでいたそうだ。水仙の副花冠(コロナ)が「金盞」にあたる。

    水仙の金色の盃なみなみと秘める香りのたぷんと揺れて

水仙に 海石榴つばき蝋梅 夜となり 南天の実の 丹田を練る
寝正月 花冠に光 水仙の 袴で切りて 白い根おもう


 水仙の リップ光りて 耳寄せば けなげな息の 薄音うすね聞ゆる                  


空洞の 花茎折れて 持ち重り ほとほと香る 房水仙の


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