ブラッディーヘル

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ふりかけのはなし

 ふりかけが好きだ。私は、白米を白米だけで食べることができない人種なのだが、ふりかけをひとふりさえすれば他におかずが無くとも米をパクパク食べられる。その日のおかずを食べきり、半端に米が残ってしまったときなどにはとても重宝している。  しかし、そんなふりかけにも問題がある。「ふりかけ、鮭味だけ残りがち」問題である。通常、ふりかけを買うといくつかのフレーバーがまとめてパックになっている。鮭味のふりかけはほとんどのメーカーでスタメン入りしており、私は新しいふりかけを買うたびに家に残

    • 「拗らせて」いる私たち

       最近、気になっている言葉がある。それが、タイトルにもある「拗らせる」という言葉だ。おおよそ、誰かを肯定する際に使う言葉ではない(それ自体は悪いことではないが)。  どうして数ある言葉の中でもこのワードに注目しているのか。一つは単純に、近頃目にすることが多くなってきたからである。「耳にする」ことが多くなってきた訳ではないのがポイントだ。その言葉は、SNS上で台頭してきたような気がしている。そして日常会話で使われることはあまりない。  私はこの「拗らせる」、「拗らせている」とい

      • omoide

         「想い出はいつもキレイだけど それだけじゃおなかがすくわ」。言わずと知れた「そばかす」の歌詞だ。私のとても好きな歌詞でもある。シンプルな歌詞だ。だからこそ、想い出に対して抱く感情がより鮮明になるような気がする。  人は想い出だけでは生きられない。想い出じゃ腹は満ちない。だけど、想い出はいつまでも色褪せないかのような顔をして私の心の大事な部分を占拠している。そんな想い出の残滓を引き延ばして薄めて飲み下す時間もあるのだ。そうやって、目前の虚しさをやり過ごしてきた人は実は多いんじ

        • (髪を)切るべきか伸ばすべきか、それが問題だ。

           私は、髪を切るのが得意ではない。セルフカットも下手だし、切られに床屋に出向くのもあまり好きではないのだ。セルフカットが下手というのは、ままある事だと思う。だからこの問題というのは、勇気を振り絞って床屋に行くか、廃屋を巣食う蔦のように伸び放題伸ばしておくか、という問題なのである。  何がそこまで私を床屋から遠ざけているか、ちょっと考えてみるだけでいくつか思いあたる。  まず、予約の電話である。今時スマホさえあればアプリから電話なしに予約できますよ、なんてそんなことは私も知って

        ふりかけのはなし