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<料理>実はけっこうに自由?イサーン[タイ]の料理「ラープ」

「タイ料理」として思い浮かべられる料理ベスト10の中に、果たして「ラープ」は入るだろうか?
タイの東北地方・イサーン料理が好きな人なら、もしかしたら。

構成が同じ「ひき肉と唐辛子とナンプラーと各種ハーブ」あたりの「タイ料理っぽい素材」を使う料理なら、たぶん「ガパオ(パッ・ガパオ)」のほうが知名度があるだろう。

ガパオは確かに美味しい。
本式にバイ・ホーラパー(ホーリーバジル)をたっぷり入れることができたときには、あの甘くさわやかな香りにうっとりする。

辛さにヒェ~っとなりながら、ごはんとカイ・ダーオ(揚げ目玉焼き)で甘さを補給しつつ食べるのといったら!

でも、ラープだって負けてない。

こちらも負けずに辛いし、ミントとパクチーの涼しげで甘い香りとホムデーンのピリ感、そこにカオ・クアポン(砕いた炒り米)のポリポリとした口あたりがとっても楽しい。

カオ・ニャオ(蒸しもち米)と一緒でもいいけど、わたしが気に入っているのはレタスやキャベツにくるみ、辛さをやわらげるのに各種の生野菜をかじりながらの食べ方だ。

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わたしは長いこと、ラープは豚か鶏を包丁で叩いて作る「ひき肉」の料理だと思っていた。
包丁で叩くことで「ひき肉」の大きさがランダムになるのが美味しい。

が、今年の夏にレシピ本を読み返していて見つけたのは「海老」のラープ。
海老を叩いてミンチにして、それでラープを作るという。

海老なんて使っていいのか?
というのが最初の疑問だったが、興味を持ってもう少し調べてみたら、なんと実はイカや焼いた(または茹でた)魚をほぐしたものでも作ることがあるそうだ。

そういえば、かなり前に「ヴィーガンのタイ料理」の一環でごちそうになったのは「きのこのラープ」だった。
ミンチにする前に半干ししたきのこが、とても味わい深かった。

本場のイサーンでは、生の牛肉を使うこともあると聞くし、なんなら、水抜きした豆腐でも作れるんじゃないだろうか。

作り方としては少量の水で火を通した食材とハーブ類を調味料&カオ・クアポンと和えて、「和えもの的に作る」のがラープだが、イサーン現地では「炒めて作る」こともあるという。

もしかしなくても、ラープって、かなり自由度が高い料理なのかもしれない。

試しにと、冷凍庫にあった海老で作ってみたラープは、新鮮な風味だった。
ひき肉の少し重めでボリュームがある感じと違って、軽くてさわやか。
上の写真はその「海老のラープ」。

きのこのラープも自作してみたが、コレも良かった。

これらをヤム(サラダ)に持ってくると、メインを肉にすることもできる。

この記事を書いている間に「水切りした豆腐(または硬い豆腐)」を崩して作ってみたら美味しいのでは?
…と思ってしまったので、季節はずれのラープに挑戦してみるかもしれない。

ヴィーガン・ナンプラーを使えば、ベジタリアンの人でも楽しめるものになる。お肉を食べる人に「これも美味しい」って言ってもらえたら嬉しい。

こんな発想はいつだって楽しいもの。
そんなワクワクをもって、キッチンに立つのだ。

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