配線

このストリーミング、テレワークのご時世に、配信ライブなど視聴してるにも関わらずwimaxで全てをまかなってる猛者だったのだが、さすがに限界がきて、固定のwifiを自宅に引くべく申し込んだ。が、住んでいる建物が見た目からしてひねくれた建築物のせいか、配管に難ありとの履歴が残っているらしく、一か八かの工事だった(ほとんど諦めていた)。反対側の壁の裏側から線が這ってくる音が近づいてきて、穴からにょきにょきと出てくるのが面白くてじっと見ていた。壁と壁の間の見えない暗い空間を通っているたくさんの配線のことを思った。
物腰の柔らかい工事の人、いかにも無知そうな私に親切に無線の設定まで教えてくれた。申し込んだくせに開通するとは思ってなかったので、何の用意もしてなかったが、缶コーヒーのひとつでも差し上げればよかったと思った。そういうの、今どきやると変なのだろうか。正解がわからないけど、工事の人に冷えた麦茶を出すような文化はわりと好きだ。

午後、ピラティスの後に観に行きたい映画を検索したけど今日はなく、雷雨が降っていたので家に帰ることにした。雨を避けたというよりは、家で雨の音を聞きながら無為に過ごすのがたまらなく好きだからです。でもすぐに止んだ。くすぶる。俊太郎さんのエッセイを読む。「ひとり暮らし」。

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