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「OKRに向いている/向いていない」をもう一度しっくりくるまで考えてみた話

世の中には「OKRに向いている企業」「向いていない企業」があると言われています。

三恵クリエスは2年間OKRを運用してきていますが、最近どうやら「OKRに向いていない企業」に分類されることがわかりました。涙
今回は、そんな三恵クリエスの経験から、

①「OKRに向いている/向いていない」をもう一度考えてみた話
②そんな私たちが、何故OKRを導入し、しかも継続しているのか?



こんな話を2回に分けてお伝えしたいと思います。

まずは①『「OKRに向いている/向いていない」をもう一度考えてみた話』です。

はじめに

2年前に三恵クリエスでOKRを導入を推進したサクライ@3cri_sakuraiです。
現在弊社では「企業としてはOKRフィットしにくい」という現実を理解しながらも、自社に合わせた形でOKRの運用を続けています。

これは、必ずしも「OKRに向いていない」=「導入しないor継続をやめる」ではないと最近とても感じているからです。
同じように「うまくいかず、やめようか悩んでいる」「向いていないなら導入やめようと思っている」といった悩める担当者の方に向けて、少しでも参考になれば幸いです。

「OKRが向いている企業/向いていない企業」??

そもそも、「OKRが向いている企業/向いていない企業」とはどのような企業を指すのでしょうか?
OKRの導入を検討されている方であれば、一度は自社はどうなのか?と調べたことがあると思います。

三恵クリエスがOKRを導入した2年前にも以下のようなチェックリストがありました。(もちろん導入前に確認しました。)

□ 四半期以上のスピードで全社の方針・戦略・目標が変わる可能性があり、それを変えることが会社にとって適切な場合が多い会社
□ 従業員の人数が少なく、一人が複数の役割を担う必要がある会社
□ 評価・1on1面談等に工数をかける余裕がない会社
(引用:『OKRってぶっちゃけ使えるの?〜失敗から考えるOKRの本質〜』)

納得感がありますね・・!当時、「うちは問題なさそう」と率直に感じました。

ですが、導入して1年ほど。

「メインの開発部門で全然うまくいかない・・・。」

明らかに自社のOKRフィットに違和感を感じるようになりました。

もう一度、「OKRが向いている」企業を考えてみた

導入時のリストとは別に、もう一度OKRの向き/不向きを考えてみることにしました。

「う〜ん、もう少し抽象度をあげて、マトリクスのような形でOKRの向き不向きを分類することもできるのでは・・」

悶々と調べていたところ、私が実感していた感覚と非常に近い分類を見つけました。

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(引用:新しい目標管理“OKR”:脳科学視点からの活用効果と概要

OKRのフィットを「業務タイプ(企画・創造⇄運用・確動)」「現場裁量権(大⇄小)」の2軸で整理したものです。

OKRで検索すると出てくる多くの事例は企業規模問わず事業会社、もしくは現場裁量権の大きなスタートアップだったりします。
これら企業の事業内容から、働く多くの社員はこのマトリクスでいう「タイプⅠ=OKRが最もフィットしやすい組織」に所属していることが想像できます。

そして三恵クリエス(8割を占めるエンジニア部門)を当時の事業内容(※)から分類してみたところ、上記表の「Ⅲ」「Ⅳ」に該当することがわかりました。つまり「OKRがフィットしにくい」分類です・・。なんと・・。
(※)当時、受託開発6割、SES4割、自社サービス0 でした。

それだけじゃない気がする

「どうりでうまくいかないわけだ!!」と思う一方で、2年間OKRを運用してきた身としては、あと少し要素が足りないように感じました。
それは組織の成熟度です。

OKRフレームワークが入ってきたとしても、運用するのは社員であり、同時にフレームワークが機能しやすい体制であることが絶対的に必要です。

上記表での分類に加え、「社員成熟度(自走型⇄指示待ち型)」「組織体制(みんなが兼任⇄完全役割型)」の2軸でも整理してみました。

先の引用表を「ハード(業務タイプ)」、以下の表を「ソフト(成熟度)」として、この両方で自社を判断してみると、どなたでも自社のOKRのフィット度がグッとイメージできると思います。
あなたの企業、チームはいかがでしょうか?

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この表では「自走型社員」が多いタイプA・Bが「よりOKRがフィットする」としています。
なので、2つの表で「タイプⅠ×タイプA」はOKR最高フィットですね!

(最近経営・人事界隈で「自律分散型組織へ」なんて話が話題ですが、その文脈でもよくOKRを目にするようになったのも納得です)

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そして・・当時の三恵クリエスを振り返ると、正直な印象、やはりタイプC・Dに近かったと思います。(理由は今回は割愛しますがそれまでの事業内容との連動が大きかったです)
「指示待ち」とは表現がよくないですが、「自律分散型ではない」という感じです。

「OKRをXX部門に導入したら3ヶ月でチームが変わった話」

という煌びやかなタイトルのOKR事例を時々見かけますが、OKRを成果へ繋げている企業においては、OKRを育てるだけの土壌、器がすでに創られていた、もしくは同時に時間をかけて創り上げていったのだと今では想像できます。

OKRがしたくて、OKRを導入したわけではない

さて、「当時の」三恵クリエスがいかに「OKRに向いていなかったか」が伝わったかと思います。(※)
正直、2年前に確認したチェックリストだけでは、ここまでフィットしないことは私自身は想像できていませんでした。

それでも。冒頭に書いた通り
「じゃぁOKRやっぱりやめようか」とはなりませんでした。

何故なら、
・私たちがOKRを導入したことには明確な目的があったこと
・その目的に沿った成果が少なからず出ていた


からです。

私たちは「OKRがしたくて、OKRを導入した」わけではありません。

(※)現在の三恵クリエスは事業内容の変革(ハードの変革)および組織文化醸成(ソフトの変革)を実現すべく、組織体制、ミッション、バリューも新たに、少しずつ「OKRがフィットする企業」に変わろうとしています。

教科書的な運用にこだわらないOKR

2年前、三恵クリエスでは「OKRの威力」とする全ての成果を求めようとしたのではなく、OKRの特徴である「フォーカス」「アラインメント」にポイントに絞ってOKRの導入を決めました。(この辺りの背景は次回で詳しく)

あくまで「組織のベクトルを揃える」という目的が先にあり、OKRのフレームワークはその目的を達成するための手段の1つにしか過ぎません。
だからこそ「教科書的なOKRの◉◉ができていない」といったことには全く拘っていないのです。

当時の(そして今も)三恵クリエスの状況で、教科書的なOKRの成果を全て求めようとしたら、それはやっぱり難しいです。制約や未成熟な部分が多いのです。これを「OKRが向いていない」とするならその通りです。

ですが、その教科書的な枠、成果に囚われず、「OKRのこの側面を自社に取り入れたい!」そんな考え方であったとしても十分にOKRの価値を享受することができると、この2年間で強く感じました。

次回はこの辺りを詳しく紹介したいなと思います。
最後までお読みいただき有難うございました!

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三恵クリエスでは簡単にOKR導入をサポートしてくれるOKR管理ツール『Commita(コミッタ)』を開発しています!
「ひとりひとりが成長企業の主役になる」というVISIONで、現在β版テスター募集しています。

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