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データの世紀

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2019年度の新聞協会賞を受賞した日本経済新聞社の「連載企画『データの世紀』とネット社会に関する一連の調査報道」の次期連載に向けて、このマガジンでは「データの世紀」をテーマに書か…
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#nikkei

HRテック?HRハック?日本型人事システムとマネジメント理論、HRテックの活用などについて考える

米国のギャラップ社が2017年に公表した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によれば、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかいないことが分かった。GAFA等の企業によるイノベーションが生まれる米国の32%と比べると大幅に低く、同社が調査した139カ国中132位と最下位クラスとなっている。 また、パーソル総合研究所が行ったアジア・太平洋地域14カ国を対象とした「はたらく意識」の調査結果では、日本は「勤務先以外での学習や自己研鑽」を実施していない者が46.3%とな

死んだ人の声を聞きたいか自分に問うた

この企画を聞いた時に真っ先に思い出した言葉があります。 「私のゴーストがそう囁くの」 知っている人もいるかともいますが、 攻殻機動隊というアニメの主人公・草薙素子が発するセリフです。 ここでいうゴーストというのは、 その人がその人足り得る根源的なものの総称として表現されています。 そんなことを思い出しつつ、 死んだ人の声を自分が聞きたいか自分に問うてみました。 結論から言うと、 「聞かなくていい」 と言うのが私の今現在の私のゴーストの囁きです。 この結論に至った考

データが導けるのって「正解」というよりもむしろ「ありえそうな解」というのが私の感覚

データの世紀のご意見募集第3弾。 仕事でデータを使っていますし、私のこれまでのキャリアを省みるとデータとは切っても切れない関係があるので、自分の考えを書くことにしました。 さて、企画の内容の確認から。 ・データの分析が導く「正解」は、どのような場面や分野で人間の判断よりも勝ると思いますか。逆に「この場面・分野は、データ分析ではなく人間の判断が優先されるべきだ」というケースは、どういう場合でしょうか。 ご意見をお聞かせください。 まず、話を進める前に「データ」と「正解」を

泳げデータの世紀:個人情報は石油。枯渇しないように、議論しよう。

 データの世紀は、「世紀」と名前を付けているように、いろいろな考え方や、ルールが変わるのかもしれない。それは、データを提供する側、データを利活用する側、両方の問題なのでしょう。 データ利用側も個人情報について考え始めた データの世紀では、「データは石油」です。この石油がなくなったら、この世紀は終わりです。  この記事にあるように、データの利活用側が、個人情報の取扱いに慎重になるのは、石油を枯渇させないために行われていることかもしれません。個人情報提供者が、個人情報を提供し

泳げデータの世紀:確かにデータは石油だ。じゃー、石油に代わるものを探そう!

 さて、「データの世紀」を軽やかに生きる、「泳げデータの世紀」であるが、今回からは7部に渡る連載に並走をする形で、考えてみたい。今回は、『【第1部】始まった攻防』について、考えてみたい。データは「新たな資源」になった。そして、国家を巻き込んだ情報資源をめぐる攻防に入ったことがわかりやすく書かれている。  この記事を読まれた読者の中には、日本の遅れや、諸外国の企業の取り組みが進んでいることに、敗北感を感じている人も多いかもしれません。しかし、データが取れていることと、必要なデ

泳げデータの世紀:「プライバシーのTPO」を考えて、息継ぎをしよう!

 「データの世紀」で、個人情報の取り扱いは大きな問題である。私も思うが、個人情報の取得技術の進化、進展が早すぎる。どこで、どのように個人情報を取られているのか、全てを明確に説明できる人がいないだろう。  街には、該当の防犯用のカメラが増えているし、電車に乗るときはICカードを利用し、下車後にコンビニでも電子決済を行う。どこで、どんなデータが取られているのか、不安になることもある。 個人情報の利用の整理 実は、この個人情報の利用であるが、私の経験から、その利用方法、分析の種

泳げデータの世紀:「個人情報について、過去から学べるのでは」

 この「データの世紀」の連載では、個人情報、プライバシーについて多く触れています。そして、この記事にあるように、個人の行動などから、人の価値を算出する試みも行われるようになってきました。 個人情報の扱いについて考える まず、少し個人情報について、長期視点で振り返ってみましょう。私の得意領域のマーケティングで考えてみると、わかりやすいでしょう。江戸時代や、明治時代の商売は、お店の方と、お客様は名前で呼び合う間柄でした。そして、商売の勘定帳簿には、「誰が」「何を」「いくらで」買

泳げデータの世紀:昔から情報は価値だった。それが加速しているだけなのかも。

 私の「データ世紀」に関する連載も、終盤を迎えている。ここまで、データの世紀の泳ぎ方について、新たな泳ぎ方の提案や、じつは古くて新しい泳法の紹介などを行ってきた。そして、ここにきて大きな問題に直面する。それは、この「データの世紀」の第6部、「世界が実験室」に関する考察です。 変質するデータの価値 「データの世紀」は、今で以上にデータの「価値」は上昇するでしょう。しかし、データの世紀以前も、データには価値がありました。今までも、個人のデータにも価値がありました。変わったことは

データの世紀の『 年末調整 』

 先月中旬あたりから、生命保険料等の控除証明や、住宅ローン残高の証明が届き始めましたね。お勤めの方は、会社から年末調整に関する用紙を渡されたり、入力サイト等を案内されたり。総務や経理、経営者の方は、税理士から説明を受けたり。そんな業務の流れから、今年もあと2か月か・・なんて思うこの頃です。  noteなので、年末調整の用紙の書き方、注意点などを解説するつもりはありません。今日は業務をしていて思うワタクシゴトを記します。 ■ 1つだけ解説 ただ、変更点で1つだけ盲点になりそ

リクナビ問題から私たちは何を学ぶべきなのか

8月、SNSやTVを賑わした「リクナビ問題」。就活生から十分な同意を得ず、データを企業に販売していたニュースは驚きとともに伝えられました。その後データを購入した企業名が次々と明らかになり、官庁も対応に乗り出すなど、問題の余波はなお広がり続けています。 なぜリクルートキャリアという個別企業のつまずきが、ここまで大きな問題になってしまったのか。取材班「データの世紀」は初報をキャッチしたあとも、反省をどう生かすべきなのか考え続けてきました。 その記事がこちら。2019年度の新聞

泳げデータの世紀:社長が背中を見せて、泳げ!

 「データの世紀」の連載記事に合わせて、この「データの世紀」で行うべきこと、考えるべきことについて、整理をしてきました、今回は、少し次元を上げて、データの世紀の事業開発や、事業創造について、考えてみましょう。ずばり、デジタルトランスフォーメーションの取り組み方についてです。 デジタルトランスフォーメーションは、誰でも考えられる。 デジタルトランスフォーメーションについて、多くの企業で議論されているようであり、私のようなコンサルタントにも相談があります。おそらく、多くの企業で

泳げデータの世紀:「ゲームのルールを変える時かも」

 「データの世紀」では、まさに「データが石油的」な価値を持ち、そのデータの収集や、蓄積のためには、高度な情報技術がの理解が必要です。このような、時代、ビジネス・ルールに影響を与えているのでしょうか。  この記事にあるように、企業の独占の形態、意味が変わってきました。  まず整理しないといけないことは、企業という概念は、第2次産業革命とともに確立したともいえる概念であることです。第2次産業革命とは、「大量生産」「大資本」の時代であり、企業のスケールが重要な価値でした。そして

泳げデータの世紀:「データの世紀」時代の泳法を、考えてみよう。

 皆さんは、「データの世紀」という、調査報道を読まれただろうか。この記事は、現代においてはデータが、「新たな石油」と紹介されているように、データの重要性について、丁寧に説明されています。あわせてそのデータ活用が起こしている、新しい問題についても、わかりやすく教えてくれています。まだ、読んでいない方は、ぜひ最初から、最後まで読み進めて欲しい。データマーケティングや、産学連携の科学を行っている私にとっても、実に多くの気づきがあり、整理もできる。  データマーケティングとは、マス