新作ガチャは、やっていい

 時の流れというものは実に早いもので2023年も3月となり、光熱費がかさみ道路が凍結する冬にももう出口が見えて参りましたね。どうも、こむてくです。


 新作ガチャの是非

 さて、早速ですが、今回の内容はいわゆる「新作ガチャ」です。「試しに新作を書いてみて、手応えが良いものでなければ見切りをつけて次の作品に移行する」行為です。

 著者個人は、「やっていい行為」であると考えています。以下は、その理由について説明します。
 

 ・芸術産業に競争の側面はあっても芸術産業は競技ではない


 まず、逆に「状況を見て分が悪くなったからといって匙を投げてはいけないもの」の説明をします。
 筆頭は球技や格闘技等の「対戦競技」です。これらで「続けたところで勝ち星を見込めないからボイコット」はご法度です。
 なぜなら対戦競技における自分の負けは相手の勝ちですから、それが相手の勝ち試合を反故にする行為に繋がるからです。

 もうひとつです。人間関係で都合が悪い話、口論で打ち負かされそうになった状況からの逃避も下手すれば致命傷になりかねないくらいに信用を失うでしょうね。
 言ってみれば、それは「好き放題に駄々をこねてそれがどんな結末に繋がっても一切責任を負わない」との話ですから、「致命的な協調性の欠如」ですからね。


 ですが、芸術産業は「相手を打ち負かし合う競技」でも「集団の和を最優先とするコミュニティ活動」でもなく、「市場により良いものをより多く提供する者が優れている個人事業」です。業種として解釈すればですね。
 ですから、「良い手応えの無い作品、ニーズの乏しい作品を提供し続ける行為」はむしろ向上心に欠けた怠慢な行為と言っていいでしょう。産業として見ればですね。


 ・人間に未来を正確に予知できる能力は備わっていない


 古代ギリシャの哲学者・ソクラテスの考え方で、「無知の知」があります。「世の中には何も知らないバカと自分自身が無知であることの自覚すら出来ていないバカの二通りのバカしか居ない」という考え方ですね。
 要するに、世の中は理解の及ばないことばかりであり、正直未来なんて誰にもわからないですよね。そこを履き違えると、詐欺に騙される確率が上がりますよ。

 ならどうやって売れっ子作家になる可能性を上げるか? 成功率を操作できないなら、試行回数を増やすんです。それこそパチンコのようなギャンブルやソシャゲのガチャと同じです、運任せは試行回数に比例して勝つ回数が増える、もしくは1に近づきます。

 ・作者の熱意の高さと市場の扱いの丁重さに関係は無い


 作品の市場での扱いって、何で決まると思いますか? 著者個人は、「気分」で決まるものと考えています。

 極端な話、完成度が低い作品を丁重に扱い完成度の高い作品をぞんざいに扱うことが市場でホットでタイムリーな風潮になれば、完成度が低ければ低いほど売れます。それが市場です。個人的に、そんな理由で売れたくないですしそんな理由で売れる作品は書きたくないですけど。


 以上が、「新作ガチャの是非と有用性」になります。要するに、売れる売れないなんて当てずっぽうなくらいが丁度いいんですよ。強いて言えば、スポットライトが当たったときに市場の期待を裏切らない作品の質は確保しましょう。
 もしもの話ではあまり言いたくないですが、いち個人では想像すら及ばないような嫌がらせを受けていたとしても、トライアンドエラーを繰り返しているうちに気が済んで埋め合わせをしてくれることもあるかもしれないですよ。


 新作ガチャの具体案

 以下からは、「では具体的にはどのような新作ガチャを行うか」です。
 新作ガチャって、デメリットとしてアイディアと体力と精神力を恐ろしい早さで消耗しますからやるにしても出来れば試行回数は最低限に留めたいです。


 ・本編の説明のためにあらすじを書くな、人目を引くあらすじを書くために本編を書け


 小説投稿サイトにおいて、あらすじだけ目を通して本編に目を通さない人は居ても、その逆はまず居ないでしょう。強いて言えば、ランキング上位に作品が載った際にミーハーな人が何も考えず飛びつくケースくらいではないでしょうか。

 小説って、ただ読むだけでも時間と手間がかかるんです。なので、多くの人はあらすじを読んで本編に目を通す手間をかけるかどうかを考えます。

 なので、本編ありきのあらすじではなくあらすじありきの本編を書くんです。「本編は、あらすじを裏切らなければそれでいい」くらいのつもりでも問題は無いと思います。
 あと、プロットの段階であらすじを考えれば作品を世に送り出す回転も上がります。会心の出来のあらすじを書けなかったプロットをその段階でポシャらせれば、余計な手間をかけずに済みます。

 もしかしたら、「そんなつもりで書いたら作品の質が落ちるんじゃないか」と思われた方も居るかもしれませんが、逆です。上がります。

 あらすじって、作品の「概要」なんです。それがつまらない作品はつまり作品を要約するとつまらないってことですし、あらすじを書こうにも漠然とし過ぎて書けない状態って、要するに頭のなかで作品の焦点が定まっていない状態なんですよね。

 あらすじありきで作品を考える手法、オススメです。


 ・休載を考えるか連載し続けるかを決めるタイミングは、序盤のキリのいいところまでの評判を得たとき


 身も蓋もない話、web小説において序盤のキリのいいところ以降の話の最大の役割は、「序盤のキリのいいところまでのプロモーション」なんです。
 最新話が新着投稿欄にアップロードされることで作品に興味を持ってもらって、序盤のキリのいいところまでを読んでもらってPVやブクマや評価を得られるんです。

 ですから、第二章以降に関しまして、「理想論でも第一章の質を維持できていればそれでいい」んです。正直全話ちゃんと読んでくれるのは、よほどのお得意様だけです。

 もし、第一章の手応えがイマイチの作品で面白い第二章以降を思いついたなら、その作品はそこでバッサリ打ち切ってネタを温存しながら新作を書きましょう。そのほうが数字を稼げます。そうしないと、せっかくのネタが勿体ないです。


 ・二番煎じのプロットでストーリーの構成とあらすじを変えて新作を書くのはかなりアリ


 そんなこんなで、web小説の本編は第一章を最優先で面白くするべきなんです。もしかしたら、あまり数字を得られなかった作品も中盤以降の部分は「もし読んでもらえたなら」ウケの良かった内容かもしれません。

 小説って、別に時系列そのままに書く必要は無いんですよ。ですから、次の作品で前作でいちばん会心の出来だった部分を第一章として、その後第二章以降で過去編をやる手法はアリだと思いますね。

 そんなワンパターンな作品を読んでもらえるかが疑問かもしれませんが、読んでもらえる可能性は低く無いです。なぜなら、ロクに読んでもらえなかった作品の焼き直しなので、多くの人には「新鮮な話」だからです。




 以上が、著者個人のweb小説で実績を狙う際の「新作ガチャに関する考え方」ですね。尤も著者個人は趣味最優先で執筆していることは、ここでも繰り返し明記しておきますね。

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