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恋の美しさは、制御できない心にある

恋が無条件に良いものだとは思わない。ただエンターテインメントの題材として恋というものにふれたときに心が揺り動かされてしまうのは、合理的・理性的に制御しつくせない感情の振れ幅に振り回される人間という生き物のいびつさ、不完全さに共感と愛おしさを覚えてしまうからではなかろうか。少なくとも人間以外の生き物にはない不器用さである。
なぜ人を好きになると、つい連絡を取りたくなってしまうのだろう。なんでもない時にふと思い出してしまうのだろう。やきもきしたりもやもやしたり決して良いことばかりじゃないとわかっていても、なぜ止めることができないのだろう。無駄だとしても、なぜ期待をしてしまうのだろう。ぐちゃぐちゃに傷ついてみっともなくても、なぜまた人を好きになってしまうのだろう。
他の生き物はこんな不毛な生存戦略は取らない。大きな進化を遂げてきた人間という種の、実に無駄でくだらない、そして愛すべき「感情」という欠陥。それが集約されているからこそ、恋物語は美しく、人の胸を打つのではないだろうか。恋というものに無条件に惹かれているというより、感情の揺れ動きという人間らしさに強烈に魅せられている気がする。


Comay.

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