ドライコミュニケーション

コミュ障である。コミュニティを作って日常やり取りするのが本当に苦手である。『これから先長く関わっていかなければいけない』『うまくやっていかなければいけない』と思うほど苦手だ。欠陥と異例すぎる人生を過ごしてきたわたしが、『普通に』『それなりに』なんて器用さで人と上手に渡り合っていけるはずがないのだ。好きならぶつかって痛くても良い。嫌いなら周りからどう思われて、どう痛くてもかまわない。そんなやり方しか知らない。

”ロック”と言ってはロックに失礼なくらい極端で乱暴に生きているわたしだが、知らない人とコミュニケ―ションを取るのが嫌いなわけではない。むしろ、気負いの必要のない交流なら大歓迎である。出先や旅先での何気ない会話なんか大好きである。道を聞かれるのも嫌いじゃない。方向音痴だが。
特に好きなのは、コメント欄である。好きなコンテンツに対して感想を言い合うもの。言い合うといっても、他のファンと意見を交わすというより、ただ自分の感想をぶん投げる、に近しい。それに対して誰かが反応しようがしまいが関係ない。他の誰かの感想も見たり見なかったりと、自由にやれる。
そこでもし少し会話が生まれたとしても、それ以上繋がることは決してない。今たまたまこの場にいて、いくつかの簡単な言葉をかわして、このコンテンツを離れたら二度と出会うことは無いかもしれないドライな関係。もう最高である。お手軽さも刹那さもたまらない。

人間が社会的な生き物である以上、どんなに他者が苦手なわたしも、それでもやはり誰かと繋がりたいという本能がふいに顔を出すのかもしれない。こういう時、なんだかんだ言っても今は良い時代だと感じる。孤独に生きていかなくても済む選択肢が、この時代には溢れている。

Comay.

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