9月の良かったこと

〇近所に「君待橋」っていう場所があった

 いい名前やん。


〇大地の芸術祭

 大地の芸術祭とはいったい何なのかと言うと、これなのである。(説明の放棄)

 新潟県のある一帯で行われている芸術祭であり、各地にはほとんど無数と言っていい数の作品が展示されている。廃校や廃屋などを展示用にリノベーションしているものや、山や森の中に突如として巨大な作品群が現れたりと、越後妻有という地で結構やりたい放題やっているお祭りである。作品を巡るために自動車移動は必須であり、とても2, 3日でコンプリートできるような規模ではない。

 そんな芸術祭に出向いた我々が宿泊した「脱皮する家」も作品のひとつである。

 まずその内容に触れる前に、名前があまりにも不気味で素晴らしいですよね。私はこういうおどろおどろしい物が大好きなんです。「家が脱皮する」という画を想像したときの何とも言えない不快感、しかしその正体を恐る恐る覗き見たいという好奇心も同時に生じるこの綱渡り感。これがたまらないのです…。

 一体、その正体は何なのかというと、家の全て(本当に全てです)がノミで削られているのです。皆さんは、小学校の図画工作の時間などに彫刻刀で木板を削ったことはあるでしょうか。その時に出来る削り跡というのは、なんというか、鋭利な爪を持った獣が勢いよくそこをひっかいたような、そんな傷が出来ると思います。そうした削り跡が、家の全ての場所につけられているのです。本当に全てなんです。床、柱、家財道具、綺麗な平らが残されている場所はひとつもありません。この家の恐ろしいところは、人間の手によってその作業が完遂された点であると私は思っていて、その狂気とも言える執念が傷跡となって残るこの家には、何ともいうことのできない業のようなものを感じてしまいます。

 「脱皮する家」の資料映像を視聴させてもらったのですが、その最後、この作品に携わった人の氏名が下から上へと流れていく場面があるのですが、その際にバックでこの家を削る音が一瞬の間も空くことなく延々と延々と聴こえてくる演出にはもうゾッとしてしまいました。


 2泊3日というスケジュールで可能な限り作品を堪能させてもらいまして、その情報量に圧倒されましたが、それでも我々が観た作品はこの芸術祭のほんの一部でした。これは何度でも行く価値のある場所だと思います。他にも色々書きたい(書かないといけない)ことは絶対にあると思うんだけど、際限がなくなってしまいそうなのでこの辺にしときます…。めっちゃ楽しい旅行だった…。俺は夏になったんだ…。夏そのものに…。


〇三つ巴の家に行ったよ。

 一人暮らし頑張ってね!スペースやってね!


〇パパイヤ・ママイヤ

 えらば君が私に勧めてくれた本なんだけど、彼は私のことを理解しすぎていると思ったね(ちょっと気持ち悪いね、えらば君じゃないよ、こういうことを言っちゃう私がだよ)。二人の人間の関係性が丁寧に丁寧に描かれていくその過程はいつも美しいですね…。人間の言葉には限界があるけど、それでも私は皆さんと会話することを諦めたくはありません…(これが対話厨です)。そのことを再認識した物語でした。とても良かった。本棚にお守りのように置いておきたい一冊になりました。


〇ギミックマシマシのきゃわバッグを買ったんですよね

 よく行っている古着屋さんで「今こういうのも置いてて~」と教えてくれたブツ。ご夫婦でやっているハンドメイドのブランドらしくて、このバッグはこのまま使うと大き目の手提げバッグみたいに使える(PCとか全然入る)んだけど、ファスナーを閉めるともう少しコンパクトになって、さらにスナップボタンを留めると巾着として使えるという3way仕様!かわいいね!色と素材感の妙なんでしょうけど、ナチュラルな感じがありながらどことなくイイ物感もあって気に入ってます。色が他にもあって、最初はもうちょい派手なオレンジに気持ちが傾いていたんだけど、一緒に買いに来ていた人に勧められてこっちの色にしたんだよね。なんか、そういうの、いいっすよね…。なんか誰かの言葉で知らない自分を発見できた気がしてさ…。どすか…。一緒に買い物行ってくれ…。



〇曲

きゅんビート / わーすた

 「俺いままでアイドル興味なかったんだけどさ!このグループのことは好きになった!」という高校の友達に「じゃあ一番好きな曲教えて!」と言ったら返ってきた曲がめちゃくちゃよかったというお話。


〇Music Restaurant Royal Host / 藤井隆

 藤井隆がやること全部正解になってしまう説。爆踊りエレクトロニカでロイホのパフェを食べに行こう!


終(おわ)

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