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『アンコウになって、闇より帰還』平野共余子のNY映画通信

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平野共余子のNY映画通信 ※このコラムは、旧新宿書房のホームページに記載していた記事を、ホームページ終了を期にnoteに移行したものです。 (55)からはnote初出です。
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記事一覧

(59)全てのこちら側の孤立

 今年(2024年)も旧ユーゴスラヴィア(以下、ユーゴ)地区の映画を大学キャンパスで上映…

平野共余子
2か月前

(58) ルーマニアの女性映画人たち

 今年で18回目となるルーマニア映画祭(Making Waves)が、ニューヨーク市マンハッタンの3…

平野共余子
5か月前
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(57) 新人とベテラン

今年で53回目を迎える新人監督特集(New Directors/New Films)は、毎年春にニューヨークのリ…

平野共余子
5か月前
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(56)東京国際映画祭に見る世界、そして歴史

 日本や米国から遠く離れた地の人々の生活を垣間見ることが出来る映画を、東京国際映画祭で見…

平野共余子
9か月前
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(55)NY(ニューヨーク)映画祭に見るさまざまな日常

 今年(2023年)で61回目を迎えるNYで最大の映画イヴェント、NY映画祭がリンカーン・セ…

平野共余子
9か月前
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(54)クロアチア、そしてマケドニア

[2023/7/22]  日が長くなって朝方も夕方も明るくなってくると、今年もシネマ・(ポスト)…

平野共余子
9か月前
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(53)新人監督週間 2023

[2023/5/13]  毎年春、ニューヨークの二大映画上映団体、MoMA (近代美術館)とリンカーン・センターの共催する新人監督週間(New Directors/New Films)特集は、世界の新人監督を紹介するもので、今年(2023年)で52回目を迎える。この特集からスパイク・リー、ウォン・カーウァイ、ミヒャエル・ハネケ、ジャ・ジャンクー、ギレルモ・デル・トロ、森田芳光、濱口竜介などがデビューしている。今回は27の長編、11の短編、41名の監督が紹介された。  私は毎

(52)ルーマニア映画祭で考える権力と個人

[2023/4/29]  私が毎年楽しみにしているニューヨークのルーマニア映画祭(Making Waves: N…

平野共余子
9か月前
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(51)東京国際映画祭

[2022/12/3] 本年(2022年)も、東京国際映画祭で世界各地からの映画を見ることが出来た。 …

平野共余子
9か月前

(50)トランシルヴァニア、ポーランド、スーダン

[2022/11/5]  夏が終わりNY(ニューヨーク)の秋の風が心地よく感じられるようになると、…

平野共余子
9か月前
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(49)クロアチア、1941年

[2022/7/30]  今年もシネマ・(ポスト)ユーゴの季節となった。旧ユーゴスラヴィア地区の…

平野共余子
9か月前
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(48)ルーマニア映画のお家芸

[2022/4/16]  ニューヨークで毎年開催されるルーマニア映画祭「Making Waves(波を作る)…

平野共余子
9か月前

(47)私と岩波ホール

[2022/1/28]  新年(2022年)になって程なく、衝撃的ニュースが入って来た。東京の本の町…

平野共余子
9か月前
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(46)コソボ、韓国、カザフスタン

[2021/11/27] 女性は闘う  第34回となる本年(2021年)の東京国際映画祭では、コソボのカルトリナ・クラスニチ監督の初長編作『ヴェラは海の夢を見る(Vera Dreams of the Sea/era Andrron Detin)』が、コンペティション部門のグランプリを受賞した。 孫もいる中年女性ヴェラがヒロインというのも、商業的にみれば勇気ある企画だと思う。本作は彼女が夫の死後、家族と家を守るために封建的な環境と腐敗に満ちた社会の中で孤軍奮闘する様を描く