「あを」を求めて、私はそっと海にいく｜青碧
千里浜なぎさドライブウェイ（石川県羽咋市）
日々慌ただしく過ごしていると、
目の前のことしか見えなくなる。
息つぐ間も無く迫り来る
ハードル、タスク、リミットを、
際どく乗り越えクリアしてきた。
ある時ふと立ち止まってみたら、
自分の余力も知力も、
気づかぬうちにすり減っている。
息は吐くばかりでは、
いずれ苦しくなるものだ。
きれいな空気を深く大きく吸いたくなる。
＊＊＊
そんな時、私が訪れるのがこの海。
金沢から海沿いに「のと里山海道」を４０分。
千里浜インターチェンジを出てすぐ青碧の海が広がる。
弧を描き果てしなく続く砂浜に、
絶えず打ち寄る波の音。
その音に包まれて波打ち際を走り抜ければ、
硬い氷が溶けゆくように、
私の心も開放される。
まあいいや、どうだって。
そうして過去に見切りをつけて、
新たな空気を吸い込めば、
違う未来が始まることもある。
その後、令和６年能登半島地震が発生した。
私にできることを続けながら一日も早い被災地の復興を心から願っている。
再び行ける日を心待ちに。
（つづく）
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