![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146523766/rectangle_large_type_2_9c6f39823d5f81d8d0bab667add61e1f.png?width=800)
「あを」を求めて、私はそっと海にいく|藍
屏風岩展望台
(京都府京丹後市)
![](https://assets.st-note.com/img/1720351134713-XNOpRTKwmh.jpg?width=1200)
仕事で大きな失敗をした。
最初から、嫌な予感に溢れてた。
スタート時点で、
ヨコやり、ムリやり。思いやりは
カケラもなかった。
思いがけないトラブルが、
断続的に起こっていた。
けち〈吝嗇〉がつく
何かをしようとする矢先に、いやな事が起こって、先の見通しが悪くなる
運・不運というものが、
存在するのか分からないが、
悪いことは続くもの。
一度コケると、坂道を転がるようにケチまみれ。
どこかで押し留めんと焦るほど、
空回りは加速する。
脆くも崩れる自信の端で、
後悔だけが積もっていく。
***
そんな時、私が訪れるのがこの海。
日本三景のひとつ、天橋立からさらに車で北に約40分。
京都府の北部、日本海沿いを東西に走る国道178号線に屏風岩展望台がある。
この辺りには、高さ20mもある一枚岩「立岩」や、
明治31年建設の趣ある「経ケ岬灯台」など
見どころが多い場所。
そんな中でも私には、
断崖の際まで広がる棚田の緑と、
大地を削る荒波の、深く冷たい藍色が、
緩急つけてせめぎ合う、
この厳しい海に、心を惹かれる。
![](https://assets.st-note.com/img/1720351200750-ER3CG7WQtr.jpg?width=1200)
この藍色の海に向き合えば、私を寂寥感が包みこむ。
深い深い悩みの淵を漂うときは、
優しい言葉や励ましよりも、
そっちの方が心地良い。
無理にもがいて頑張るよりも、
いっそ底まで落ち込む方が、
早く浮き上がることができる気がする。
![](https://assets.st-note.com/img/1720351200709-sGSp9a2h5W.jpg?width=1200)
(つづく)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?