32_カラーイメージについて考える(3)〜「ピンク」の色彩心理_1

画像1 デザイン専門学校の授業や社会人の色彩セミナーで10年ほどの間に集積した「色の持つイメージワード」を元にいわゆる「色彩心理」と言われるものの根拠を少しずつ探っています。その中でカラーカードやグラフィックソフトを使って「いろいろな職業のカラーイメージ」という課題で簡単なイメージ表現をしていただいています。前回は「銀行員」のイメージと「青」のイメージの関係について取り上げましたが、今回は「ピンク」のイメージについて。
画像2 前々回の投稿で課題の概要を書きましたが、初めてご覧いただく方にもう一度簡単に説明させて下さい。まず学生や受講生に画像のようなフォーマットをお渡しします。左の5色配色のユニットにはカラーカード等で色を貼り付けていただきます(PCの場合はグラフィックソフトで着色)。そしてそれぞれのイメージワードと共に「明るさ」「重厚感」等イメージ5項目に評価をつけ、右のペンタグラフ落とし込んで「イメージの可視化」を図ります。https://note.com/colorfulvision/n/n1ab80d765a09
画像3 こんな感じで。これは「女優」というキーワードから出たイメージカラーです。やはり「華やかさ」の評価が高く、右下に突出したような形のグラフになる傾向があります。
画像4 前回、前々回で取り上げた「銀行員」のカラーイメージの「形」と比べると一目瞭然です。https://note.com/colorfulvision/n/n0b2c22b7875f
画像5 そして「銀行員」のイメージの時には決して登場することがなかった「ピンク」や「紫」が必ず使われているのがお分かりかと思います。
画像6 「銀行員」のイメージ。ほらほら、ピンクや紫が出てこない。これについては前回の投稿をご覧下さい。https://note.com/colorfulvision/n/n0b2c22b7875f
画像7 ピンクは非常に色域が広い色であり、それぞれのピンクが大きく違うイメージを携えていることが多い色でもあります。学生たちが分析した<+イメージ>として「華やかさ「可愛らしさ」「幸福感」がある一方、<ーイメージ>として「甘ったるさ」「下品」「安っぽさ」といった言葉も出てきました。「女優」のイメージカラーとして登場した「ピンク」には「色気」「大人」というイメージワードが重なっていたように思います。
画像8 他にまた違った「ピンク」がイメージカラーとしてよく登場した職業があります。これはまた次回に。

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