私と家族。

彼と一緒にいると、私の家族は素敵なのかと思わされる。
いや、人としては良い人達だと思っていた。
『家族として』私が受け入れられていないだけだ。

今も母を許せない。許すつもりも今の所ない。
この間母が何気なく言った、「あんた父に似てるから嫌いなのよね。」という言葉に再び傷付いてしまった。
彼女がこう言った理由は分かる。私の性格は父によく似ていて、無意識に理屈くさかったり、面倒臭い言い方をしてしまいがちだ。
そんな性格が嫌いな母は私のことも必然的に嫌いになるわけである。
自分では意識して直そうとしているつもりでも、難しい部分もあって困ってはいる。
だけれども、そんな傷付くことを本人に言わなくてもいいじゃないかと思ってしまうのだ。
せめて言わずにいて欲しかった。

父は優しい。
私がどんなにふらふらとしていても何も言わずに支援してくれる。
大変有難いと思っている。
しかし、私は彼もまた苦手である。
普段話を聞いてないようなのに、私がやりたいことを正論や理屈で説き伏せて応援してくれなかったという記憶があるから。

残念ながら兄には深い思い入れも、エピソードも少ない。良くも悪くもない兄妹仲である。
また母の発言になるが、「兄はあなたと違って自分や友達のツテでどうにかしようと出来るし、優しい」と言われた。それを見習いなさい、とも。
昔から母は兄と私を比べたがる気がする。
学生時代はグレていた兄を見ながら私へあんな風になっちゃダメだよ、と諭してきた。
それが今は兄を見習え、だそうだ。
ワルさをしてきて落ち着いた兄とずっと優等生で母の言う通りに真面目に生きてきた私、どちらが世間的に、母的に正しいのだろう？
母の手のひら返しな発言に、一気に子どもの頃の必死だった自分を思い出させられてつい涙ぐんでしまった。

そんな私の家族の話、家族に対しての私の感情を彼には話してある。
その上で、『良い家族だね』とよく言ってくる。
客観的に見れば、良い家族なのだろうかと最近思い悩んでいる。
外から見たら素敵な家族でも、当事者たちがどう感じているかは別なんだと感じた。
私はこれからも許せないが、彼にとって良い義家族であってくれるならそれで良い。
私が自分で選んだ家族は彼だけなのだから。