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ネパール・Thulo Pokhara。コーヒー生産地に行ってきた。

みなさん、こんにちは。
私は今、ネパール・カトマンズにいます。

先日、ここから車で5〜6時間の距離にある、Colorbathが取り組む持続的なコーヒープロジェクト」の生産地に行ってきました。

取り組んだこと、気づいたこと、感じたこと。
そのままの熱量で、みなさんにお伝えしていきます。

訪れたのは、Thulo Pokharaという農村。

左上が首都・カトマンズ、右下が今回の訪問先「Thulo Pokhara」。

山奥なので、電波は通じませんし、電線も来ていない。当然、ガスも通っていません。日中ソーラー発電で貯めた電力を使って生活するのですが、今回の訪問中は、あいにくの悪天候続き。

最終日には電気が使えなくなったので、ろうそくと焚き火で過ごしました。

この村でコーヒー栽培が始まったのは、2019年。今年が、3回目のチャレンジとなります。

先日、収穫後のコーヒーをコーヒー豆の状態にするための小さな工場「マイクロミル」も建設したので、ここをどうやって運営していくかも含めて、農家さんたちと話し合い、品質向上に向けて取り組んでいきます。

マイクロミル。手前の乾燥棚でコーヒーの実を乾かし、青い屋根の建物で保管する。

みなさんは、コーヒーがどのように作られるか、ご存じですか?

【図解】苗から1杯のコーヒーができるまで

コーヒーは、苗植えから始まり、収穫・果肉をとる「精製」・乾燥脱穀と、かなりの手数がかかって輸出されます。

生産地では今まさに収穫期を迎えているので、図の上段、「収穫」「精製」「乾燥」が、同時進行で行われているところです。

①収穫

同じコーヒーの木になる実であっても、同じタイミングで熟すとは限りません。

収穫の様子。

写真中央の実はよく熟していますが、右側の実はまだ青いのが、お分かりいただけると思います。また、表側はよく熟していても、裏側は熟していないということも…。

全体がワインレッドになっているものが理想的なので、その見分け方のコツを、農家さんたちと一緒に学んでいきます。

収穫後の実

②精製

収穫された実から、果肉部分を取り除きます。

精製作業の様子。
取り除かれた果肉("カスカラ"と呼ばれたりもします)
果肉が取り除かれると、このように黄色っぽい色になります。

③乾燥

果肉が取り除かれた豆は、乾燥棚の上に並べられ、14日間ほど乾燥される…はずなのですが、今回、実際には3〜4日ほどしか乾燥されていないということがわかりました。

乾燥の様子。

説明に加えて、乾燥する場所を増やしたり、倉庫にあるものを再度乾燥させたりという対応も行いました。次回の訪問時に水分値を測り、さらに調整していこうと思います。

棚を新たに作る。

気づいたこと・感じたこと

右端が、現地パートナーのチャシラさん

Thulo Pokharaの農家さんたちは、ネパール語か、現地で使われているタマン語でコミュニケーションをとっています。そのため、私が意見を伝えるためには、まず英語で現地パートナーのチャシラさんに伝え、それをチャシラさんが農家さんに説明する、という形になっていました。

しかし実際のところは、農家さんとチャシラさんが直接やりとりしたり、チャシラさんが説明を行う場面の方が、圧倒的に多い。「自分が行ったところで、大したことはできない」と、痛感しました。

自分なりに現地に行く前に準備を進め、「何かができる」「何かしてあげられる」「自分が行くことで何かが変わる」と考えていたのですが、それは勘違いだったのだと思います。そしてこれは、国際協力といった、国をまたいでプロジェクトを動かすようなときに、決して忘れてはいけないことでもあります。

できることは本当に少ない。だからこそ、今できることに集中する
その姿勢を大切に、今後も粘り強く活動していきます。

話し手:那波多目健太
聞き手:櫻井かおり

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