見出し画像

あなたの中のアーティストが、目覚めるのを待っている!

カルチャー教室で水彩画の講師を始めて、3年が経ちました。
手法はもちろん、講座のスタイルも、講師によって色んなやり方があると思うのですが、私はできるだけ生徒さんたちと一緒に、自分自身も描くようにしています。

というのも、私の先生も、そうしてくれていたから。そして、先生が亡くなった今、思い返すのは、先生と一緒に教室で描いたり、スケッチ旅行で風景を描いたり、制作の時間を共有できたことが、何よりの宝物だと感じているからです。

私の担当しているクラスは2時間です。指導で手一杯になり、自分の絵を描く時間はほとんど取れない回もあります。それでも、描き方や改善点のために一部を描いて示すだけでなく、並行して一枚描き上げた方が、喜んでいただけます。
そして私自身も、どんな絵であれ、皆さんと一緒に一枚描いた日の方が満足度が高いです。教室という場で、同じ時間を共有して描いた「一体感」とでもいうのでしょうか。

今月は4月ということで、「季節の花」というテーマで描きました。私は自宅の庭の花を持参して描きました。今回、私が描いたスケッチです。実質1時間ほどでしょうか。

スケッチ

何回か前に、シクラメンをテーマに描いた回がありました。後日、生徒さんの一人がその時の絵と、初期に描いた古いスケッチブックを持ってきて、並べて見せてくださいました。
「そう言えば、1年目にもシクラメンを描いたな、と思い出したんです。家で並べて見てみたら、自分の絵が随分変わってきているのに気がついたので、2冊持って来たんです」と。
2枚を並べて見させていただいて、びっくり。花びらや葉っぱの質感、葉脈など細部の観察眼、色の多様さや空間の奥行き、などなど、、、
「月に一回だけなのに、描いていると変わるものなんですね」と、ご本人も、他の生徒さんたちもびっくり。

回を追うごとに皆さんが上手になっているのを感じていたものの、同じテーマで描いたものを並べて見ると、こんなにも違うものなのかと、感動しました。

説明会のとき、皆さんから「学生以来、描いてないけど、大丈夫でしょうか?」と聞かれて、「大丈夫ですよ」「絵は何歳から始めても良いんですよ」と、アメリカの画家グランマ・モーゼスを例にあげながら、お話ししたのですが、本当にその通りだと、改めて実感しました。

家庭に眠る、計り知れない才能の山

私のクラスには、70歳ほどのご年配のかたもいらっしゃいます。とても精力的に描いてらして、色使いも豊かなうえ、絵の深みが素晴らしく、毎回、関心することしきりです。お教室だけでなく、ご自宅でも描いてこられて、絵を披露してくださることもしばしば。

その方は、主婦の方で、絵筆を持つのは中学卒業以来ということでした。説明会で、何度も、何度も、「私でも大丈夫でしょうか?」と聞かれたのが印象的でした。家庭人として長年生きてこられて、50数年ぶりの水彩画。きっと、心のどこかに、ずっと、描きたい想いを抱えてこられたのでしょう。
そして、みるみる実力をつけられて、才能が開花。私から見ても、いずれかの展覧会に出品していただきたいほどの作品を、毎回描かれています。

勇気を出して、カルチャーに来てくださって、私たちに才能を分かち合ってくださって、本当に感謝しかありません。家庭人として生きていらっしゃるアーティスト。こういうかた、結構いらっしゃるのかもしれないな、と思います。
「何かを始めるのに、遅すぎるということはない。やりたいと思った時が始めどき」と、生徒さんたちを見ていて、まざまざと教えられます。

手前味噌かもしれないのですが、生徒さんたちの作品が素晴らしくて、毎回、カルチャー教室へ行くのが楽しみになっています。「今回はどんな作品が見られるのだろう」と、ワクワク、ウキウキしながら通っています。
同時に、皆さんの成長ぶりを拝見しながら、自分の指導法は間違っていなかったのだと、確信できるようになりました。他のクラスとはちょっと違う指導方針をとっているので、最初、戸惑われることもありますが、3年続けてきて、自分のやり方にOKが出せるようになりました。

何歳からでも始められる「Artist Way」…
創造すること、表現することを楽しむ生き方。

あなたも、もし、何かやってみたいことがあったら、ぜひ始めてみてほしいです。
その先には、あなたの表現したもので感動を受け取る人たちが、きっと待っているはず。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?