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面白いって何だろう?の話。

ボドゲを作っていると、いろんなデザイナーさんが「面白いって何だろう?」っていう話をよく目にします。
いや、私も長い間、ある意味創作し始めて18年経った今も「なんだろうな」って思うこともある議題です。

今回は、私なりの答えを書いていこうと思います。
その前に前段を書くので、そちらから読んでもらえるとありがたいです。


1.面白いって何だろう その1

まず、面白いって何だろうの答えについては、デジタルゲームで最初の方に教えられる、というか、先輩・後輩とか、会社としてだとか、プロデューサーだとか、ディレクターだとか、場合によっては専門学校とかで教えてくれるそうです。
実際、どれも体験したことがないので、伝聞+記事で見ただけですけど。
そんな訳で、ちゃんとググったらデジタルゲームの「面白い」という話については、断片的に見ることができます。割と記事を読み漁ることになるんですけどね。(CEDECや東京ゲームショーの講演とかめちゃオススメ)

もちろん、ボドゲとデジタルゲームは違くね? っていう意見もあるかと思いますが、「エンタメ」という枠内では同じことです。
ただ、その切り口がデジタルゲームなだけで、それをアナログゲームとして切ればいいだけです。簡単にいうなってな。

もうちょっとちなんどくと、「エンタメ」って切り口で、イベントの面白さとか、本の面白さとか、映画の面白さとかそういったものもたくさんあります。Noteを検索するだけでも割と出てくるので、いろんな切り口で見てもいいかなと思います。


2.面白いって何だろう その2

なんでこんな名前で章分けなんでしょうか。それは、前段とかつながっている話を、答えだけ読んで分かった気になる人や、「へー」で、誤解したまま終わらせる人が多いことを知っているからです。
その上で、だれだれがこういうこと書いてたよ、って間違った情報まで流されるというね。何回も食らったことがあるんよなぁ。

それに加えて、こっちがメインではあるんだけど、結局は、「自分の経験と結び付けて、自分で解読して、自分で納得する」しかないものだと思ってます。いくら本を読んでも、この記事を読んでも、自分で消化できず「そうしなさい」としか受け取れないと、正しくはないと思ってください。

以下、愚痴です。
※家庭環境やその方自身の特性によって、こういうことを受け入れられない人がいるのは知っています。そういう人にどう説明すればいいのか、答えを持ってないんですが…… 自分で考えようね、が正しくではあるんだけど、これもただしくつたわらなくて…… 1つ1つゆっくり理解してもらうしかないんだろうなとは思ってます。

ちょっと例を出します。考えてみてください。
あなたはラーメン屋の主人です。
これから店の主力を、しょうゆ、みそ、とんこつから1つを選ばなくてはいけません。しお? 知らない子ですね。(個人的には好き

さて、例えば3つのうち、しょうゆを選んだとしましょう。
ではみそととんこつはおいしくないのか? おいしいですよね。
つまりは、「面白い」の一例をこれから書くだけであって、「面白い」は各個々にもっていて、その答えは1つではない、ということです。
この話に置いて、1つでないこと自体がすごく重要なんです。


3.面白いって何だろう その3

すでにこの記事の内容に反論したい人! いますよね。分かります。
それは立場の違いから来るものかもしれません。

これから書こうとしているのは、主にゲームデザイナーにあたる方向けの記事です。
例えば、プロデューサー(ここでは「たくさん売れるようにする人」という認識でいいです、とりあえず)の立場だと、ちゃんと市場調査して、売れ筋を見て、人の興味から考えてみようか。
みたいな話になります。
でもここではそんな話はしません。というか、私はその手の話が不得意です。考えないわけではないですが、そんな器用ではありません。

そんな訳で、ゲームデザイナーにとっての「面白いとは何か」の話をしていきます。


4.面白いって何だろう その4

2017年時の自分の話を先にします。なぜなら、多分に分かりやすく、難解だからです。
「面白いって何だろう」は私も必至で考えて、ボドゲの創作を始めて、10年過ぎた辺りでも、何もわかっていませんでした。
でも1つだけ、信じていたことがあります。

「自分が面白いと思ったことが面白い」です。

ちょっと無茶な理論かもしれませんが、自分が「面白い」と思ったことは100%面白いのです。自分は信じてやりましょう。
テストプレイをして、もしくは思いついたことをメモにまとめて、それを見たときに「面白い」と感じれば、つまりそれは面白いのです。

逆に、「面白くない」と感じているのであれば、それは面白くないのです。

それ自身が事細かに分からなければ、それ自身を発生させて信じればいい、ということです。

難しいことを書いているようですが、今でも思いますが、多分これが一番簡単です。
今の自分もそうですが、割と「それが面白いのかどうか」を判定する際、以降に書くこと柄よりも、これを直感的に信じるようにしています。

他人が思った「面白い」ほど、アンコントーラルブなことはありません。だってわかんないでしょ。他人の考えていることなんて。
例えば、自分の親に「これが面白いんじゃないかな」って渡されたおもちゃは面白かったでしょうか。触って5分で飽きたものは割とあるんじゃないかな。
それくらい、親子ぐらい密接に接していても分からないものです。
ましてや、話したことのない他人の「面白い」などつかめる訳がないのです。

余談ですが、自分の「面白い」ですら、割と水みたいで、つかめないこともあります。でも、これは1つ簡単な見つけ方があって、「自分のゲーム棚」を眺める。です。ゲーム棚がない? アプリを見て、本棚を見て、音楽のプレイリストを見て、よく行く食べ物屋さんを見てください。
それがあなたです。あなたの好みです。

何かしらで観測されないと、その人自身が分からない、みたいな話が哲学であったような気がするんですが(読んだことないけど)、逆に言うと、観測できると分析ができる、ということです。


5.面白いって何だろう その5

ここまでの話で割と、「面白いって何だろう」から答えを出せる糸口、足掛かり、光は見えてくるとは思うんですが、もうちょっと具体的な話をここから書いていきます。
私もほかの人から教えてもらった話が多いので、その都度、言われた後の私の解釈を書いていきます。
まずは、その中で最大の物から。

「ゲームは工夫がないと面白くない。面白さとは工夫だよ」
By Amigoの担当者

この一言から、考えることが大きく変わりました。
手番で、機械的に最適解を見つけて、それを出すだけでは、楽しくありません。機械です。壁打ちの壁です。
「次にどうしてやろう」と考えることが面白いのです。


6.面白いって何だろう その6

先ほどの話につながる話です。

「答えを計算するだけのゲームは面白くない」
By ゲーマーの知人

実際、これは、該当するツイートを見ただけです。
でも割と真意をついています。

人が面白いと感じるのは「(アクションの選択肢などの)答えを出すこと」ではなく、「考えること」です。
自分のプレイ方針を考え、それに沿った予測を考え、その結果をプレイする、というのが面白く感じるのではないか、ということです。


7.まとめ

現状、後いくつか書けそうな話があるんですが、書けるほど脳内がまとまっていないので、それらについては、また今度書いたらいいかなって時に書きます。キーワードだけを書いておきます。
「ギミック」「(システム的な)見た目」「目的」
友人のゲームデザイナーから最近聞いた話もあるので、試行と思考が必要です。

ちょっと外れた話になるかもですが、ある意味ゲーム作りの1つの楽しみを先奪いするような話を書いている自覚があります。
1つ理由があります。
それは、先にも書きましたが「デジタルゲーム業界を通っている人はこれらを理解している」ということです。
通っていない人たちからは、そりゃ、見比べられると差が大きいし、見劣りもすることがあります。(システムの話ね)

結局のところ、これ以降の方がゲーム作りの結果が重要なので、そこで楽しい方が面白いかなと思ったからです。
さっさとこういう共通認識に近い、授業で受けるようなところは進んでもらおう、という魂胆です。
でも、分かっているとは思いますが、ここまで読んでもまだ分からないと思います。新しく見えるものもまだまだあると思います。

1つの通過点、しかも先人が伝えてくれている話。これは先に知ってもいいんじゃないかなと思うわけです。


とはいえ、こんな文章1つ読んで、ゲーム作りがはかどるのか、と言われるとそれは分からない話です。
特に、今書いたような話が「好みではない」「関係があると思えない」と思える人もいるとは思います。

つまりは、「面白い」は人によって答えが若干変わるものです。
それによってさまざまなエンタメに触れる機会が我々消費者にはある、ということも言えます。


最後に、これら「面白い」について、考えたり触れたりできるYouTuberさんを紹介しておきます。いや、知ってると思いますけど。

どれを見ればいいのか、分からないぐらいの本数が公開されていますね。
1つも見たことがないなら、再生リストにある「すべての動画(投稿順)」を見てください。最初から見た方がいいと思います。
特に、動画内でもちゃんと語られていない「行間」「言葉の意味」を考えると、1つ1つ自分の疑問、ふわっとしたものに対して答えが出ることがあると思います。
特にそれは最初の方に多いです。最近だと割と具体的な話がメインにはなっていますが、それでも新たに気づかされることが多いです。

ちなみに、デジタルゲーム業界に努めている友人の言葉、「桜井さんは常人ではないから、同じようなことをしようとしても、なかなか難しいよ」ということです。
ゲームデザインから、企画、ディレクター、現場、広報まで1人でこなせ、複雑で難しいことを3分以内のプレゼンでまとめられる能力は常人のそれを逸しています。

でも、分かりやすくまとめてくれているので、なんとか理解できると思います。

そんな感じで、1つの答えをすべての答えにするのではなく、自分自身で納得しつつ、理解して、使っていく、ぐらいな感じでいいと思います。

一番の危惧は、理解もそこそこに「さっきやったあなたのテストプレイ、工夫が無いからダメだよ」ということです。
「すべて理解した」という中二病の方々と同じになっちゃうので、やめましょうね。
ちゃんと理論立てて「ここで工夫があれば面白くなる」と思ってから口にしましょうね。

後、デザイナーが理解できないテストプレイの感想は、意味がないので止めましょうね。

次回の「面白いとは」に続く。(あるのかなぁ

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