10年間聴き続けている曲。平凡な日々をミュージックビデオのワンシーンのように

「私の勝負曲」とい聞いて、応援歌のような元気いっぱいの曲や、はたまた自分で作曲した渾身の一曲を指すのではないかと思ってしまった。しかし、生憎そんな曲、私は持ち合わせていない。

底抜けに明るい奴はどうも信用ならねぇと感じてしまうのと同様に、明らかに「応援歌だ！」「盛り上がっていこうぜ！」と言われると、逆に萎えてしまう。だから勝負曲だとしても、松岡修造っぽく真正面から体当たりでエールを送られると、素直に受け入れられない性分で、これはこれで損をしているだろう。

(余談：「松岡修造」の名前がすぐ出てこなくて「テニス　うるさい人」で検索してしまった…)

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そもそも、勝負をする場面はあるのか？
勝ちたくもなければ、もちろん負けたくもないので「戦わない」これがきっと正解だ。

ところが、誰と勝負するわけでもなく、自分一人で勝手に決めた人生の「勝負どき」みたいなものがやってくることがある。それは、「プロポーズをするとき」「腐れ縁を断ち切るとき」「退職願を出すとき」・・・そんなんじゃない。むしろ何もなく、昨日と同じ今日が来て、今日と同じ明日が来て、人生にドラマチック要素が皆無なことに気づいてに愕然とした時のことだ。

ここぞ勝負どき！劇的な一日になるかどうか、私自身にかかっている。今こそ勝負の分かれ目だ！

聴け！この曲を。 #私の勝負曲

Qrion - PILLOW

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イヤホンから聴こえる。
普通に始まった普通の朝、通勤電車の中、人混みを歩く。

私の上澄みをそっとすくい上げ、沈殿した思いをかき混ぜる。励ましもせず、勇気づけもせず、慰めもせず、ただ内へ内へ流れこんでくれる。

まるで架空MV(ミュージックビデオ)の主演になったかのような気分じゃないか？寝ぼけた顔で電車に乗る姿、急足で交差点を渡る姿、エレベーターに駆け込む姿。この一瞬を切り取って、この曲に乗せて、架空MV脳内再生。その時に帯びた憂いが、私の今日を普通以上にしてくれる。

#私の勝負曲